最新情報

愛知本部

日本平和委員会が名古屋市内で戦後80年、日韓条約60年をテーマに分科会を開催

【2025年10月26日】

日本平和委員会は10月26日、名古屋市内で日本平和大会の一環として分科会「戦後80年・日韓条約60年―平和な北東アジアを実現するための日韓市民交流」を開催。名古屋三菱・朝鮮女子挺身隊訴訟弁護団の岩月浩二事務局長、「フォーラム平和共感」の李俊揆(イ・ジュンギュ)研究員、日本福祉大学の三宅裕一郎教授が登壇し、各自の立場から発言した。

岩月事務局長は挺身隊訴訟について「この裁判は日本の戦後責任を問う重要な裁判であるが、日本の最高裁は被告の請求権を認めながらも『日韓請求権協定で国の法的義務はない』とする判決を下した。国家間の請求権は消滅しても個人の請求権は消滅していない。被告企業による救済が必要である」と語った。

李研究員は韓日条約について「条約が締結された年から『1965年体制』が生まれたが、米ソ冷戦により成立したこの体制は、現在米国のアジア太平洋戦略と、朝鮮の核兵器近代化・朝中ロによる軍事同盟化の対立により深刻化している。ファシズム、ポピュリズムをこえた民主主義体制の確立。政治決着ではない被害者中心の歴史正義の樹立が課題だ。多国間協力による平和の構築を目指していこう」と強調した。

三宅教授は日米韓の軍事一体化について「3カ国による軍事演習は防御的なものではなく攻撃を想定したものであり、積極的に緊張を作り出している。米国の太平洋戦略の一翼を担うことは危険だ」と指摘。「北東アジアの平和構築に向けて、アジア各国との戦後補償問題の解決、包括的な安全保障体制構築が必要だ。日韓市民・NGOなどによるマルチトラック外交が今後必要となってくるだろう」と主張した。

会場の参加者からは北東アジア地域自治体連合(NEAR)の活動が紹介され、朝鮮との交流の必要性が訴えられた。

※写真-平和をテーマに発言する登壇者たち