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名古屋で講演会「ウトロからレイシズムを問う」開催

【2022年11月20日】

11月20日、名古屋市内で「ウトロからレイシズムを問う」と題して、ジャーナリストの中村一成(イルソン)氏の講演会が開催された。主催は「韓国併合100年東海行動」、「民族教育の未来をともにつくるネットワーク愛知」、「ととりの会」。

中村氏は2000年から京都府宇治市宇登口(ウトロ)を取材。ウトロ朝鮮人集落の変遷と80年代後半からの住民の強制退去反対の闘い、2004年の韓国政府の予算計上も含めた土地の買い取りと公営住宅建設までの経緯を見つめてきた。

昨年発生した放火事件に対して中村氏は「22歳の男性が逮捕され4年の実刑が確定したが、犯人は一貫してネット情報により『朝鮮人が嫌い』『朝鮮人に恐怖を与える』などと語っており、典型的なヘイトクライム(差別的動機に基づく犯罪)である。植民地支配への反省もないまま在日朝鮮人に対する差別は戦後一貫して続き、今回の事件のようなレイシズム(人種差別主義)として温存されてきた」と語った。

ヘイトスピーチなどへの対応については「自治体で『ヘイトスピーチ禁止条例』が採択されてはいるが、罰則規定がないなど問題も多い」と解説。差別解消の課題として①包括的な人種差別撤廃法の制定②「平等」と「異化」を認める「共生」社会に向けた取り組み③各地での差別反対の運動をあげた。

※参考図書 「ウトロ ここで生き、ここで死ぬ」(中村一成著 三一書房)

写真-講演する中村氏