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メッセージ

新年メッセージ

在日韓国民主統一連合 委員長 宋世一(ソン・セイル)
 

韓統連会員とニュースレター読者の皆さん、新年あけましておめでとうございます。새해 복 많이 받으세요. (セヘ ポン マニ パドゥセヨ)

2024年を振り返る

韓統連は2024年の運動課題として△米国の戦争策動を破たんさせ、朝鮮半島と東アジアの平和を実現しよう△尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権退陣闘争を前進させ、汎国民的闘争へと発展させよう△総選挙で尹錫悦政権に反対する民意を示し、尹政権を審判しよう△尹錫悦政権の対日屈辱外交に反対し、日本政府に植民地支配の歴史清算を求めよう△国家保安法の廃止と韓統連の名誉回復を実現しよう△組織を強化しようの6点を掲げ、積極的に運動を展開しました。

4月総選挙に際しては、選挙案内リーフレットの普及や「選挙を考える集会」の開催を通じた選挙キャンペーンを広く展開し、国外同胞の投票参与を督励して尹錫悦政権審判の一翼を担いました。

5月には「光州民衆抗争44周年 在日韓国人全国集会」を三重県・四日市市で開催し、前年5月の全国集会を機に国外で初めて尹政権退陣を打ち出した韓統連は、継続して尹政権の退陣を強く要求しました。

自主統一平和連帯などが中心となり8月10日にソウルで開催した「戦争助長、韓米日・韓日軍事同盟推進 尹錫悦政権退陣! 8・15汎国民大会」に韓統連代表団を派遣し、国内同胞、韓日連帯勢力と共に、戦争を助長し軍事同盟を推進する尹政権に対し退陣要求の声を大きくあげると同時に、朝鮮半島と東アジアの平和実現を訴えました。

総選挙で国民から厳しく審判されたにもかかわらず、失政・悪政・暴政を平然と続ける尹政権に対する国民の批判世論が急激に広がる中、尹錫悦政権退陣運動本部は11月に2回にわたる退陣民衆総決起を成功させ、退陣要求の機運を盛り上げました。韓統連は全国代表者会議を開催し総決起に全的に連帯しました。

支持率10パーセント台を低迷しながら窮地に陥った尹錫悦は12月3日、戒厳令を宣布し、政権危機からの脱出と政権の維持・強化を画策しました。国民主権を否定し憲政秩序を破壊する戒厳令宣布はまさに内乱であり、首謀者は尹錫悦です。こうした暴挙を決して許さない国民と野党議員は、国会を守り抜き、戒厳令を解除しました。尹錫悦に対する国民の怒りは頂点に達しました。11日に1500団体で結成された「尹錫悦即刻退陣! 社会大改革! 

非常行動(尹錫悦退陣非常行動)」が14日、国会前に200万人を結集し、尹錫悦弾劾訴追案の可決を要求する声をあげる中、同案は可決されました。民主化運動の成果を積み上げ民主共和国の基礎を築いてきた偉大な国民の勝利です。

韓統連は情勢推移にあわせて尹錫悦退陣を要求する宣伝ビラを3度にわたり作成し、全国で宣伝活動を集中展開しました。特に、「戒厳令宣布~解除~弾劾訴追案可決」と急転する情勢の下では、いわゆるニューカマー同胞とも力を合わせて東京、川崎、名古屋、大阪、神戸、小倉でキャンドル集会、スタンディング、ポスティングと様々な方法で声をあげ発信し、国内の闘争と連帯しました。

このように2024年は、尹錫悦退陣のために全力をあげて闘い、その結果、退陣を実現する情勢をつくり出した1年といえます。

2025年の主要課題は

2025年の主要課題は△尹錫悦退陣・民主政権樹立を実現し、社会大改革を推進しよう△光復80年、韓米日軍事同盟に反対し朝鮮半島と東アジアの平和を実現しよう△韓日条約60年、過去清算に基づく主権尊重・互恵平等の韓日関係を構築しよう△自主・民主・統一を堅持し、統一に向けて組織を強化しようです。

尹錫悦退陣・民主政権樹立を実現し、社会大改革を推進しよう

戒厳・内乱の首謀者・尹錫悦および同調・加担した軍隊と警察の上層部・閣僚・与党「国民の力」、すなわち戒厳・内乱勢力は、戒厳令宣布は違憲・違法ではないと強弁しながら正当化し、憲法裁判所(憲裁)の弾劾審理や合同捜査本部の捜査に対しては、恣意的な法解釈を盾に時間稼ぎをしながら証拠隠滅を画策し、ついには尹錫悦の逮捕にも公然と反抗するなど、内乱行為を継続していると言わざるを得ない状況です。すべては、自らの生き残りをかけ、次期大統領選挙での執権継続をねらう不法・不当な行為であり、そこには国民主権を侵害し憲政秩序を破壊した反省も国民への謝罪も一切ありません。

憲裁の判断を漫然と待つのではなく、戒厳・内乱首謀者の尹錫悦と同調・加担勢力を逮捕・拘束・断罪し、そして尹錫悦を罷免し退陣させなければなりません。戒厳・内乱勢力を完全に一掃し、民主政権を樹立し、社会大改革を推進することが、わたしたちに課せられた重要な課題です。そのためには、キャンドルと広場の闘争をより力強く継続推進することを通じて、国民のパワーで戒厳・内乱勢力を徹底的に排除し、野党や憲裁に影響を与え動かすことが必要です。

尹錫悦退陣非常行動は尹錫悦を退陣させるための汎国民戦線としての役割を十分に果たすとともに、社会大改革を次期政権に実践させる、あるいは共に推進する構想力と実行力を発揮しなければなりません。単なる与野党間の政権交代の水準で終わってはなりません。前回のキャンドル革命の教訓はまさにここにあります。政権打倒と社会大改革と次期政権構想は並行して追及されなければなりません。

尹錫悦退陣・民主政権樹立を実現し、社会大改革を推進しよう。そうして、真に自主的で民主的な政権の実現へと前進しよう。

※社会大改革については尹錫悦退陣国民投票の中で、次の10大項目が提示されています。1経済的不平等および2極化の解消、財閥改革 2恒久的平和体制の構築、歴史正義と主権の実現 3メディア・検察・選挙制度の改革 4医療民営化の中止、公共医療の拡充 5低出生・高齢化・社会福祉に対する国家責任の強化 6すべての労働者の労働基本権の保障、非正規職の撤廃 7入試競争の教育、大学序列化の廃止および大学無償化の実現 8気候変動の解決、脱原発および再生エネルギーへの転換 9食糧主権の実現、農水産物価格の保障 10女性・障がい者・移住者・性少数者・都市貧民の生存および平等権の実現。

光復80年、韓米日軍事同盟に反対し朝鮮半島と東アジアの平和を実現しよう

韓米日首脳の2023年キャンプデービッド合意により、韓米日軍事同盟の構築が飛躍的に進展しています。その中で、同盟関係にない韓日の軍事協力も目に見えて強化されています。

朝鮮半島と東アジアを中心に、さらにはインド太平洋とその先まで行動範囲にしようとする韓米日軍事同盟は、インド太平洋地域の豪州・ニュージーランドなどを加えたアジア版NATOともいうべき軍事協力体制の中心を担っています。加えて、朝鮮国連軍の再活性化に伴い世界的な多国籍軍の中心の位置にも組み込まれています(日本は朝鮮国連軍加盟国ではありませんが、地位協定を通じて日本内の米軍基地提供が認められているため、実質的な軍事関係にあります。横田飛行場に後方司令部が置かれています)。朝鮮半島有事の際には韓米日軍事同盟が朝鮮国連軍の名の下に実働化する可能性が高いということです。

また、米国が韓国に提供する拡大核抑止体制は必然的に核演習を韓米・韓米日合同軍事演習に組み込み、朝中ロとの緊張・対決状況を高める一方、韓米日と米国に連なる西側諸国は、朝ロの包括的戦略パートナーシップ条約に基づく朝鮮のロシア派兵を一方的に糾弾し、圧力を加えています。

西側諸国は「自由・民主主義・法治・人権」を普遍的価値と掲げ、朝中ロなどを「権威主義国家」として圧迫・攻撃します。しかし、こうした価値観の一方的な押し付けと西側特有の二重基準の適用は、グローバルサウスを中心とするBRICSなどから強い反発を受け、世界秩序は米国を中心とする一極構造から多極構造へと、言い換えれば「戦争と支配と搾取」から「平和と自主と共同繁栄」の秩序へと転換しつつあるのは周知の事実です。

こうした国際秩序の転換の中で、韓米日軍事同盟の構築を主導的に進めてきたバイデン米政権が、「同盟軽視」を対外政策とするトランプ政権に交代し、韓米日軍事同盟の旗振り役をしてきた尹錫悦政権が退場する予定です。トランプ政権の同盟軽視は「安保ただ乗り論」に基づくものですから、具体的には韓国に対する米軍駐留経費の大幅分担要求としてあらわれるでしょうが、これを危機ではなく好機ととらえ、少なくとも垂直でなく水平的な韓米関係への転換を求める情勢をつくりだせる可能性が生まれます。そのためには、新政権には自主性を備えることが求められると同時に、それを後押しする国民世論の形成が必要です。民主政権を樹立し社会大改革を推進することの重要性がここにもあります。

今年2025年は光復80年を迎える年であり、民族史に残る光復80年としなければなりません。民主政権樹立の下で、韓米日軍事同盟に反対し、朝鮮半島と東アジアの平和を実現する決定的な転機をつくり出す闘いを展開します。

また、2025年は日本にとっては敗戦80年であり、米軍が広島と長崎に原爆を投下してから80年を迎える年です。解放・光復直前に宗主国・日本の地で無念にも被爆したわが同胞に想いをはせながら、米国の「原爆投下」という戦争犯罪を断罪し、日本が唯一の戦争被爆国としての責務を果たすよう求めなければなりません。

韓日条約60年、過去清算に基づく主権尊重・互恵平等の韓日関係を構築しよう

尹錫悦政権は、韓米日軍事同盟構築のための前提であり必須条件である韓日関係「正常化」を実現するために、韓日間の懸案である歴史清算問題を一方的な譲歩で解決するなど、民族の尊厳と歴史正義を放棄し、徹底した対日屈辱外交を展開しました。

戒厳令宣布後の激動する情勢の下で、韓日両政府は尹錫悦・岸田政権間で構築された、いわゆる未来志向の韓日関係について「いささかの変化もない」と確認を重ねながら、「韓日国交正常化60周年」を迎える今年2025年、60周年記念事業のためのロゴマークとキャッチフレーズ「両手を携え、よりよい未来へ」を発表しました。

世界で奴隷制と植民地支配に対する歴史清算の流れが発展する中でも、侵略戦争と植民地支配の責任を頑強に認めない日本は、韓日条約を盾に、植民地時代の清算問題はすでに解決済みとする強硬な姿勢を崩しません。しかし、この点に関する解釈は韓日間で異なるにもかかわらず、あいまいにされたままです。韓日条約のこうした不備をそのままに、歴史清算問題を無視したままつくられる韓日関係は、主権尊重・互恵平等の関係からは、はるかに遠いと言わざるを得ません。「両手を携え、よりよい未来へ」は、現在の両政権次元で過去の歴史を無視したまま「未来志向」を唱えるスローガンでしかありません。

尹錫悦退陣後に誕生する民主政権が、民族の尊厳と歴史正義を厳然と守護しながら、日本との間で歴史清算を進め、韓日条約の見直しも含めて、主権尊重・互恵平等の関係を構築できるよう、韓日条約60年を契機に韓日連帯勢力とも力をあわせて運動を進めます。

あわせて、朝日関係の改善も重要な課題です。日本は安倍元首相の「拉致3原則」(拉致問題は日本の最重要課題、拉致問題の解決なしには国交正常化もない、拉致被害者の全員帰国)から抜け出し、ピョンヤン宣言に基づいて柔軟に交渉を開始する方向性を示すことです。合意を尊重する誠意ある姿勢が協議の扉を開くはずです。

自主・民主・統一を堅持し、統一に向けて組織を強化しよう

韓統連の目標は「民族の自主権を守護し、韓国の民主化と祖国統一を実現する」ことです。簡潔に表現すれば、自主・民主・統一の実現です。そのためには、韓国に自主的で民主的な政権、つまり自主的民主政権を樹立することが求められます。自主的民主政権は対外的に自主(権)を堅持し、対内的に民主(主義)を徹底する政権です。この自主的民主政権は韓国の国民主権と国家主権に依拠して外勢の支配と干渉を排除し、民族の自主権に基づいて朝鮮に対し統一政策を進めることになります。当然、南北海外のわが民族が合意する統一方案に沿いながら統一実現に向け運動と事業が展開されるでしょう。

現在、朝鮮は韓国を「敵対国」と憲法で規定し、それまでの対南平和路線は破棄され、統一に向けた動きは現在、全くありません。朝鮮としては、2018年から開始した韓・米との対話路線の破たん、政権崩壊と吸収統一を掲げて対決政策を展開する尹政権の反民族性・反統一性を総括した結論のようです。

尹錫悦退陣後に誕生する民主政権がどの程度の自主性と民主性を備えるかは、前述したように、尹政権退陣非常行動に代表される尹錫悦の退陣を求める汎国民戦線が主張するところの社会大改革を、新政権にどう影響を及ぼし実現するかにかかっているといえます。

韓国においても、民衆がつくり出す歴史の進歩と社会の発展はたゆみなく続きます。すぐには自主的民主政権の樹立が困難でも、尹錫悦退陣・民主政権樹立の情勢転換は、自主的民主政権の誕生へと続く道を切り開くはずです。

祖国統一に不利な情勢を有利な情勢に転換できる可能性が生まれているといえます。韓統連は自主・民主・統一の路線を堅持し、統一実現の環境を1日も早く造成するために、組織を不断に強化しながら、運動を展開することがこれまで以上に必要であり重要です。

 

韓統連は自主・民主・統一を前進させ実現するために、今年2025年も奮闘する決意です。さらなるご支援をお願いしながら、皆さんが健康で充実した1年を過ごされるよう願ってやみません。

(2025年1月7日)