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第一野党「共に民主党」李在明代表に検察出頭要求…李代表は拒否

【2022年9月9日】

ソウル中央地検は9月1日、都市開発疑惑を巡って告発された第一野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)新代表に対し、6日に出頭するよう求めた。

李代表は、城南市長在任中に柏峴洞の土地が自然緑地から準住居地域へと用途変更されたことを巡り、国会で虚偽の事実を公表したとして公職選挙法違反の疑いで告発された。また、同市の大庄洞開発事業を巡る不正事件に関連し、昨年のインタビューで関係者の城南都市開発公社職員のことを「末端の職員だったので市長在任時には知らなかった」と虚偽の発言をした疑いももたれている。

同党の朴省俊(パク・ソンジュン)報道担当は同日の会見で、検察の通知には根拠がないとして、「とうてい納得しがたい」と述べた。朴氏は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と争った大統領選候補であり、第一野党の代表に対する政治報復、野党を瓦解させようとする政治弾圧に対して引き下がることはできない」として、断固とした姿勢を示した。

李代表は2日、南西部・光州で記者団に「たたいても駄目だから突拍子もないことで揚げ足を取っている。適切ではない」と述べ、自身をめぐる捜査に政治的な意図があるとの考えを示した。また、「国民が託した権力を、国民生活を守り危機を克服することに使わなければならない」とけん制した。

尹大統領は2日、検察が李代表に出頭を要請したことについて、記者団に「経済と国民生活が優先」として、「刑事事件はわたしも報道をみるが、記事をじっくり読む時間もない」と述べ、司法に介入していないことを暗に強調した。

最終的に李代表は6日、検察からの出頭要請に応じない考えを表明。同党の安浩永(アン・ホヨン)首席報道担当が同日、「李代表は検察の書面調査の要求を受け入れて書面で答えたため、出頭要請の事由が消滅した」と説明した。検察からの出頭要請は李代表が書面での聴取に応じなかったことを受けた措置だったが、李代表が5日、必要な部分を記載した書面をソウル中央地検に送ったため、検察に出頭する必要がなくなったとするもの。李代表の出頭見送りは、党の臨時議員総会(5日)の意向をくんだ決定でもある。安報道官は「党内外の意見もおおむね、揚げ足取りのような政治弾圧に振り回されてはならないというものだ」と述べ、あわせて、検察が捜査の焦点とする三つの虚偽事実公表の疑いに対し、いずれも否定する李代表の立場を改めて強調した。

民主党は5日、尹大統領が金建希(キム・ゴニ)夫人の株価操作疑惑を巡り、大統領選で虚偽の事実を公表したとして、尹氏を公職選挙法上の虚偽事実公表の疑いで告発した。

大統領候補は選挙運動期間中、公約を発表し有権者に訴え、時には相手を攻撃し自らを防御する過程で多くの発言をする。その発言内容を判断し評価するのはまずは有権者であり、次にメディアだといえるが、司法機関の任務とはなり得ない。また、今回のように、検察が李代表の発言を一つずつとらえて問題視するならば、選挙運動など公的領域における表現の自由を大きく委縮させることにもなる。そして、尹大統領の発言も同様に検討したならばどうなるか。金建希夫人の株価操作疑惑がすぐさま浮上するだろう。実際、民主党はこの件に関して、尹大統領を公職選挙法上の虚偽事実公表の疑いで告発し、李代表への出頭要請に対抗した。

尹政権は検察を通じて、文在寅(ムン・ジェイン)前政権にとどまらず、文政権の執権党であった民主党に対しても圧力を加え始めた。尹政権は「法と原則」を強調しながら、現実にはこれを恣意的に適用し、検察を政治検察として位置づけ機能させている。「検察共和国」が現実化してきた。