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宗教界、市民社会団体代表者ら、大統領選挙候補者に「平和統一要求案」

【2022年1月28日】

宗教界と市民社会が1月21日ソウル市内で、「第20代大統領選挙に臨む宗教・市民社会平和統一会議」を開催し、大統領選挙候補者に求める「平和統一要求案」を発表した。要求案は候補者に伝達される予定。平和統一会議では、候補者の公式答弁や立場表明を総合しながら、より拡大した第2次平和統一会議を開催し、候補者らの政策・公約に対する立場を発表するとしている。各界の主要な代表者145人の連名で発表された要求案を紹介する。

なお、統一ニュース(1月21日)では会議における各界の発言者が写真で紹介されている。発言者は次のとおり(順不同)。

イ・チャンボク6・15南側委員会常任代表議長、イ・ジョンゴル民和協代表常任議長、イ・ボムチャン韓国民族宗教協議会会長、パク・フンシク全農議長、ホ・グォン韓国労総統一委員長、キム・ウニョン民主労総統一委員長、キム・ヒホン韓国キリスト教教会協議会和解統一委員、キム・ヨンジュ平和統一市民会議常任代表、ハン・チュンモク韓国進歩連帯常任共同代表、イ・テホ市民社会団体連帯会議共同運営委員長、キム・ミョンファン平和鉄道共同代表

第20代大統領選挙候補者に促し求める平和統一要求案

朝鮮半島に70余年間続いてきた分断と戦争は、わたしたちの社会の基本的権利の実現と均衡ある社会発展を妨害してきた根源的な問題だ。世界10位圏内の経済力と6位圏内の国防力を誇示しながらも、最悪の自殺率、最低水準の性平等指数と労組加入率、出生率などのように社会的問題点が深刻なのは、分断と戦争体制の中で社会的資産が市民にただしく分配されておらず、社会的権利がひどく制限されているためである。

分断と戦争の克服、平和的統一はわたしたちに与えられた歴史的責務である。

2018年、平和の春を成し遂げた合意が結実へとまともに続けられない中、南北関係が膠着状態に陥っている。対話が中断されて3年間、わたしたちの政府が軍備増強に没頭し、米国が制裁に集中する間に、北もまたミサイル発射など軍事力強化を推進しており、中断していた措置の再考を最近は検討するなど、憂慮すべき状況が引き続いている。敵対と対決が緊張と分裂を高める悪循環が繰り返されている。

再び朝鮮半島に平和と南北協力の新たな進展を成し遂げなければならないとの切迫感から、わたしたち宗教・市民社会代表は大統領選挙に臨む候補者と政治勢力に次のように要求する。

共存と尊重、言行一致は関係改善の基本である。李承晩(イ・スンマン)政権以来、南北関係の進展と膠着を繰り返して来た中で、相手を崩壊させるとか、力で制圧するといった政策が繰り広げられたこともあるが、こうした政策は葛藤と対決を深めるだけで、南北関係の発展を決して導き出せなかった。この間、成し遂げられた南北関係の発展は、ひたすら相手を尊重し敵視しない中で、積み重ねられた信頼を土台に成し遂げた成果である。

 相手に対する尊重は言葉だけで成されるのではない。口では関係改善を語りながら、軍事演習と兵器増強に没頭するとすれば、これはむしろ信頼を損なうということを、わたしたちは最近3年間の膠着状態から再度確認することができる。

共存と尊重、言行一致は関係改善の基本である。

南北共同宣言と合意は必ず継承し実現されなければならない。

南北合意は南と北が分断と戦争をどのように克服するのかを、論議した末に合意した原則と具体的な課題である。これは南北関係の改善、分断と戦争を克服し平和統一を実現する最も基本的な原則であり、根拠であり、最も現実的な経路とならざるを得ない。

歴代政権が合意した南北共同宣言と合意は、次期政権でも揺らぐことなく継承されなければならない。

南北対話を再開し全面的な南北協力に乗り出さなければならない。南北鉄道と道路連結、開城工団と金剛山観光などの協力事業はもちろん、多方面の社会文化交流協力も全面化すべきである。分断の苦痛の中で、高齢の離散家族の出会いをはじめとする人道的課題を解決すべきであり、西海平和協力特別地帯の設置および運営も必要だ。南北の往来、協力のために非武装地帯の管轄権を、国連軍司令部ではなく南と北が直接行使することは、合意履行のために必ず解決しなければならない問題である。

中断された南北対話の再開のためには、韓米合同軍事演習の中断および対北制裁の緩和のための努力が必要だ。2018年の平和の春は軍事演習の中断を先制して提案したことから始まったし、その雰囲気を壊す上では演習の再開が大きな影響を及ぼしたことを想起すべきである。最近、軍事的緊張が再び高まっている。圧倒的な国防費と軍事力を保有する米国と南側が、まず軍事的信頼構築に乗り出すことから、平和の春を再び導き出さなければならない。

朝鮮半島の平和体制を構築し核兵器と核脅威がない朝鮮半島をつくるために、軍備競争の悪循環を断ち切り、終戦と平和協定へと進まなければならない。

これまでの朝米関係の歴史は、積極的な信頼構築の措置こそが朝鮮半島の軍事的緊張を減少させてきたということを確証している。軍事的圧迫と制裁はさらに大きな軍事的緊張をもたらすだけだ。敵視の中断と平和のための努力こそが非核化も導き出すことができる。

敵対関係を終わらせ新たな関係へと転換するために、終戦と平和協定締結のための対話をすぐさま再開しなければならない。対話が中断してから3年、わたしたちの政府が最大規模の国防費増額と最先鋭兵器の導入に没頭し、米国が制裁を強調する間、北もまたミサイル発射など国防力強化を推進してきた。「力による平和」は決して「平和」ではない。

力による平和、兵器導入、軍備増強政策を止め、平和軍縮に乗り出さねければならない。終戦を語りながら、兵器増強と先制攻撃を推進する矛盾した行動では信頼を得ることはできない。

平和と主権に基づいた均衡ある外交が必要である。不平等な対外関係をたださなければならない。

トランプ政権からバイデン政権へと続きながら、対中国圧迫政策が強化されており、これに同盟と関連国を動員する動きも本格化している。韓国は米国とも中国とも協力すべき地政学的、経済的、政治軍事的利害関係にあるのは明らかだ。周辺国との互恵平等な関係を害したり、わたしたちの主権と平和を侵害する一方的な関係は決して健全な同盟とはいえない。

平和と主権に基づいた均衡ある外交が必要だ。韓米同盟の活動範囲を対中国圧迫へと拡張し、韓米日同盟を強化しようとする試みは中断すべきである。日本の軍事大国化と改憲の動きにも明確な警告を送るべきであり、過去の歴史および軍事大国化関連の憂慮がただしく解決されるまで、日本との軍事協力を止めておくのは当然である。「底の抜けた甕(かめ)に水を注ぐ」式の現在の軍事作戦統制権の返還方式を中断し、軍事作戦統制権は即刻返還されるべきであり、不平等な韓米駐屯軍地位協定も保健・環境・司法主権をきちんと行使する方向へと改正すべきである。住民合意、社会的合意なくして一方的に推進される米軍の兵器配置、訓練場と基地拡張を止めなければならない。

平和統一へと進むすべての過程で、民衆の主導的参与と役割が保障されるべきであり、性平等の方向から実現されなければならない。

キャンドル抗争は国と社会の主人公である市民の抵抗と参与がつくり出された偉大な成果であり、世界の民主主義の歴史でも際立った足跡を残した主人公としての宣言である。しかしキャンドル抗争から5年が過ぎたいまでも、南北関係と外交、国防分野に対する市民の情報接近、政策決定過程での参与は依然として遮断されており、閉鎖的な政策決定、運営過程における多くの問題点も改善されていない。現場での平和統一教育も十分でない。

外交・国防分野に対する情報公開を通じて、国民の知る権利および主権を保障すべきである。平和統一に関する教育と社会的対話の拡大、民間統一運動に対する支援と協力を強化し、市民の声が最大限、活発になるよう支援すべきだ。南北交流における民間の参与と役割を保障し、民族共同行事など各界の交流に対する支援と協力も重要である。

平和統一政策の樹立過程で性認知的な観点を反映し、平和統一活動の領域で女性の参与を拡大しなければならない。

北に対する情報接近と平和統一の諸般の活動を依然として統制している南北交流協力法、国家保安法などの法制度もまた整備しなければならない。

2022年1月21日

「第20代大統領選挙に臨む宗教・市民社会平和統一会議」参加者一同(145人連名)