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バイデン大統領の韓日歴訪、対中包囲網を構築、韓米同盟をグローバル包括的戦略同盟へ…尹政権は米国に追従するな!

【2022年5月27日】

バイデン米大統領は5月20~22日まで訪韓、22日に日本に移動し24日まで滞在。期間中、韓米首脳会談と日米首脳会談に加えて、米国主導の経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足式、米日豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」の首脳会合に臨んだ。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は21日、ソウル龍山の大統領室庁舎でバイデン大統領と会談した。両首脳は会談直後に発表した共同声明を通じて、両国間の同盟が「グローバル包括的戦略同盟」に引き上げられたと強調。「平和と繁栄の核心軸である韓米同盟は、民主主義、経済、技術分野でグローバルリーダーである両国の中枢的役割を反映し、朝鮮半島を大きくこえて成長してきた」とし、「気候変動とコロナパンデミックのような生存と直結する挑戦、ロシアのウクライナ攻撃に代表される国際秩序に対する脅威に直面し、韓国と米国は共同の政治、経済、安保そして両国民間の紐帯を深め広げていく共通の決意で団結する」と明らかにした。また、両首脳は「朝鮮半島の完全な非核化」実現、韓米合同軍事演習の規模拡充、拡大抑止協議の活発化などを確認。韓米日協力ついては「北韓(※正しくは朝鮮)の挑戦に対応し、共同安保と繁栄を守り共同の価値を支持し、規範に基づいた国際秩序を強化するうえで韓米日3カ国協力の重要性を強調した」とし、経済分野でも同様に言及した。バイデン大統領は、尹大統領がクアッドへの参加に関心を示していることを歓迎。両首脳は、台湾海峡の平和と安定維持の重要性も強調した。経済安保では、IPEFを通じ、緊密に連携する姿勢で一致した。関連して両国は経済安保対話のチャンネルを新設することにした。

岸田文雄首相は23日、都内・迎賓館でバイデン大統領と会談した。両首脳は日米同盟の抑止力と対処力を強化する方針で一致。岸田首相は「防衛力を抜本的に強化し、防衛費の相当な増額を確保する」と伝え、バイデン大統領は歓迎した。岸田首相が「いわゆる反撃能力も含めて選択肢を排除しない」と述べたことに、バイデン大統領は「日本防衛の決意は揺らぐことはない」と応じ、両首脳は拡大抑止を維持・強化するため、閣僚級で緊密に意思疎通を図ることで合意した。朝鮮の核・ミサイル開発に対する日米、日米韓の連携も確認した。

バイデン米大統領は23日、IPEFの発足を東京で宣言した。創設メンバーは米国と韓国、日本、インドなど13カ国。経済安保の観点で中国への過度な依存から脱却するため、インド太平洋地域における新たな経済秩序の構築を目指すとした。尹大統領はオンラインで発足式典に出席し「韓国も堅固な連携に基づき責任を果たす」と述べた。

24日には東京でクアッド首脳会合が開催され、日米首脳とモディ印首相、アルバニージー豪首相が参加。発表された共同声明では、インド太平洋地域における中国の台頭を念頭に「現状を変更し、地域の緊張を高めようとするあらゆる威圧的、挑発的、一方的な行動に強く反対する」とし、朝鮮に対し「国連安保理決議に従い、挑発行為を控えるとともに、実質的な対話に取り組むよう求める」と言及した。

バイデン大統領の今回の韓日歴訪の目的は△インド太平洋戦略のもと同盟国・パートナー国による対中国包囲網を軍事・経済面で構築する△韓国と日本をその戦略の中心軸に据え、韓米日3カ国の協力体制を推進する△朝鮮に対する韓米連合軍事態勢を強化し、対朝鮮政策を同盟国・パートナー国と共有する△ウクライナ事態を念頭に置きながら、インド太平洋戦略を地球規模に拡大する―ところにあったといえる。中国はこうした米国の姿勢に強く反発しており、朝鮮とロシアも同様だ。韓国内では全国民衆行動など市民社会団体が「軍事同盟、軍事競争ではなく平和を選択せよ」「従属的な韓米関係を変えよう」と声をあげた。残念ながら、尹政権と岸田政権はバイデン政権を支持し協力する積極的な姿勢を示した。特に韓国は米国の意向に沿いながら、現在の韓米同盟を地域と分野をこえた拡大同盟、つまりグローバル包括的戦略同盟とすることに合意した。米国政府が自らの権益を維持、拡大するためにつくり出そうとするインド太平洋戦略、さらには「新冷戦」秩序のもとで、韓国はその前哨基地にされようとしている。朝鮮半島の平和と祖国統一を民族の第一の利益と位置づけて、米国に追従するのではなく自主的に対応することが切に望まれる。