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情勢解説

地方選挙で勝利!…再び手を握った民主労総・進歩政党

【2022年4月15日】

民主労総と正義党、進歩党、労働党(2月5日、社会変革労働者党と統合)、緑色党の進歩4党が6月1日投開票の統一地方選挙において、候補一本化を推進し積極的に支援することに合意した。民主労総と進歩4党は4月7日、ソウル市内の民主労総で記者会見し、「地方選挙勝利と政治改革のために、民主労総と進歩政党は再び協力する」と明らかにした。民主労総と進歩政党は昨年9月、大統領選挙共同対応機構を発足させ共同政策を発表、候補一本化も推進したが、選出方式で合意できず霧散した。ヤン・ギョンス民主労総委員長と進歩4党代表は今回の合意文で、前回の件を「共同の責任を痛感する」としたうえで、「再び団結するために努力する」と強調した。民主労総と進歩政党は地方選挙に対応するために、大統領選挙共同対応機構を地方選挙共同対応機構に改編する。民主労総は中央執行委員会を通じて、民主労総組合員の民主労総候補66人、組合員でない進歩政党所属の支持候補97人、合計163人をすでに承認した。21日の同委で追加承認する予定。ヤン委員長は「選挙区が重ならない候補や一本化候補は進歩一本化候補として選挙運動を展開し応援する」と述べた。民主労総と進歩政党は地方選挙に向けて政治改革と選挙制度改革のための大々的な署名運動も展開する。改革要求事項として△大統領選挙と地方選挙に決選投票の導入△比例衛星政党の廃止、政党名簿による比例代表制と地方議会の比例代表の拡大△中大選挙区制の改編△投票時間の延長と事前投票所の拡大△教師・公務員の政治的権利の保障をあげている。ヨ・ヨングッ正義党代表は「民主労総と進歩政党が地方選挙の共同対応を宣言したのは、地方選挙の改革と多党政治の拡大、民意の発露といった意味を持つ重要な合意」と評価し、キム・ジェヨン進歩党常任代表は「選挙制度改革の闘いとともに、進歩陣営の候補が一本化候補として地域住民に選ばれるよう努力する」と決意を述べた。

大統領選挙運動のなかで浮上し、各政党や候補間でも一定の共感が示された政治改革。具体的には「共に民主党」と「国民の力」による2党政治から多党政治への転換、それを可能とする選挙改革(法改正)が6・1統一地方選挙から求められたが、「共に民主党」と正義党、進歩党、市民社会団体の改革要求に「国民の力」はまったく応えようとしない。こうしたなか、進歩陣営が大統領選挙における不足点を反省しながら、地方選挙に向けて共同対応機構の構成、候補一本化作業の推進、政治・選挙改革のキャンペーンを開始したことは、大いに評価され歓迎されることだ。キム代表が主張したように、団結した進歩の姿を地域住民にしっかりと示すことで、地方選挙で「進歩の風」が巻き起こることを期待したい。