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情勢解説

韓米安保協議、朝鮮半島の平和・統一に逆行し軍事緊張を高めるばかりだ!

【2021年12月17日】

 韓米の軍当局は12月2日、ソウルで第53回韓米定例安保協議会(SCM)を開催、徐旭国防部長官とオースティン国防長官がSCM後に共同声明を発表した(写真)。共同声明では、朝鮮の核・ミサイル脅威の高まりに対応するため、作戦計画の最新化に向けた新たな戦略企画指針(SPG)を承認したと明らかにした。最後のSPGの承認は2010年に行われており、11年ぶりの大々的な修正作業となる。両国の軍当局は今回承認されたSPGに基づき、従来の韓米連合軍司令部の軍事計画「作戦計画5027」「作戦計画5015」をアップデートする方針。オースティン氏は朝鮮の核とミサイルの高度化が域内の安全保障を不安定化させているとして、「北朝鮮(※正しくは朝鮮)に対し外交的アプローチの意志を持っており、対話を提案し続けている」と述べた。両国が朝鮮を対話に引き出すため朝鮮戦争の終戦宣言を推進する一方で、朝鮮の核に対応するための作戦計画を策定することに関し、徐氏は「終戦宣言は政治宣言的な意味があるため、作戦計画のためのSPGと関係ない」と述べた。また、徐氏は米軍主導の韓米連合軍が持つ有事作戦統制権の韓国軍への移管に関し、有事作戦統制権を将来的に行使することになる韓国軍主導の未来連合軍司令部の完全運用能力(FOC)検証を来年に行うと明らかにした。FOC検証は未来連合軍司令部の能力を検証するための3段階の手続きのうち2段階目にあたる。一方、共同声明では初めて「台湾」を明記。「2021年5月の韓米首脳会談の共同声明に盛り込まれた、台湾海峡での平和と安定の維持の重要性を確認した」とした。SCMの開催に対して、韓国進歩連帯、参与連帯など84の市民社会団体は2日、ソウル市内で「主権は条件ではない。作戦権を返還せよ! 軍備増強の代わりに平和を選択せよ!」をテーマに共同記者会見を開催した。参加者は△無条件で戦時作戦統制権を返還すること△サード(高高度ミサイルシステム)を撤去すること△MD(ミサイル防御体系)への参与に反対する△2022年の韓米合同軍事演習を中止すること△中国をけん制するための米国のインド太平洋戦略への参与に反対する△韓米日軍事協力に反対する△韓米防衛ワーキンググループの新設に反対する△米製兵器増強を中止することなどを主張し要求した。3日には全国民衆行動(準)もSCMの結果に対する糾弾声明「最終的に朝鮮半島の南側を前哨基地化しようとするのか!」を発表した。

 「作戦計画5015」は、全面戦争によって朝鮮の体制を転覆させ全土を占領することを想定した「作戦計画5027」を下敷きにしているとされる。5015は、核兵器や弾道ミサイルによる軍事攻撃を朝鮮が行う兆候があると判断した場合、核兵器を含む手段で朝鮮の核・ミサイル基地に対し一斉に先制攻撃することに軸足を置いており、金正恩朝鮮労働党委員長ら指導部の暗殺を図る「斬首作戦」なども含まれている。朝鮮の対外宣伝メディア「統一のこだま」は11日、作戦計画のアップデートを「朝鮮半島情勢を最悪に追い込む」と非難した。作戦計画のアップデートは、いわゆる「北侵作戦」をさらに高度化、深化させることを意味し、米国の朝鮮への提案「敵視していない。無条件対話を望む」を完全否定し、いまさらながら米国の本音が明らかになったといえる。「台湾」の明記は、米国の対中国包囲網に韓国が軍事的に組み込まれたことを示し、韓中関係に悪影響を及ぼすのは間違いない。韓米安保協議は朝鮮半島の平和・統一に逆行し、軍事緊張を高めるばかりだ。