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情勢解説

李大統領、「光復節」演説で「休戦体制を平和体制へ転換」…具体政策の提示を

韓日関係

李在明(イ・ジェミョン)大統領は8月15日、日本の植民地支配からの解放記念日「光復節」の式典で演説し、韓日関係について「ここ1年間、韓日両国は活発なシャトル外交を続け、信頼の基盤を築いてきた」とした上で、「『近くて遠い隣国』ではなく、『近くて近い隣国』として、平和と繁栄の新たな60年を共に切り開いていくことを期待する」と強調した。

また「今後も実用的な国益外交を基盤として、共通の利益のため協力の幅を広げ、知恵を集め、共通の課題を共に解決していく」との考えを示した。これまでの成果を揺るぎなく継続していくためには、何よりも両国国民の間の「強固な信頼が必要」とも訴えた。

李大統領は「信頼とは相手の痛みを理解し、互いに共感する誠実さから生まれるもの」とし、「今日も過去の傷と痛みを抱えながら生きている被害者や遺族がいる」と話した。

その上で、「韓日協力がこれまで以上に重要となっている今、わたしたちが築いていく新たな韓日関係の光は、歴史の陰で今なお痛みに耐えている方々にとって、温かなぬくもりとなるものにしなければならない」と強調。「近くて近い隣国」として、平和と繁栄の新たな60年を共に切り開いていくことを期待すると述べた。

同時に国内でも独立功労者に対する礼遇を拡大するとともに、親日・反民族行為者の不当な財産を取り戻すなど、歴史に対する責任を問うと約束した。

南北関係

朝鮮半島の平和を巡っては「(朝鮮)戦争を終結させ、朝鮮半島の不安定な休戦体制を平和体制へと転換する道のりに乗り出す」と述べ、「互いに対する相互の威嚇(いかく)の意思を捨て、長きにわたる戦争を終わらせるため、当事者間の協議を始めよう」と提案。これを通じ、北朝鮮(※正しくは朝鮮、以下同じ)の核能力の高度化を止めるための実効的な方策についても議論できることになるとの認識を示した。

李大統領は昨年の光復節の演説で、いわゆる対北3原則として「北側の体制を尊重し、いかなる吸収統一の追求も一切の敵対行為もしない」と発言したことに触れ、「お互いを尊重する包容的平和共存」「戦う必要のない安定的平和共存」「世界平和に貢献する責任ある平和共存」を柱とする三つの北朝鮮政策を提示していた。

李大統領に具体政策の提示を求める

李大統領は韓日関係について、両国国民の間の「強固な信頼が必要」「信頼とは相手の痛みを理解し、互いに共感する誠実さから生まれるもの」と主張した。

しかし、日本政府は侵略戦争と植民地統治に対する一切の反省をすることなく、歴史清算から顔をそむけたままである。初歩的に合意した長生炭鉱遺骨収容の課題も日本側の不誠実で消極的な姿勢により十分には進展していない。韓国政府が何度抗議しても、日本政府による独島領有権を侵害する言動や政治家による靖国神社への参拝・供物奉納などが止むことはない。

要するに日本政府は「韓国側の痛みを理解していない、もしくは理解しようとしない」のである。韓国政府は国民と共に、日本政府が「相手の痛みを理解する」よう求めるべきである。そこから未来志向の正しい韓日関係が始まるだろう。

南北関係においても、対北3原則を掲げながら、北が反発するにもかかわらず、韓米合同軍事演習「乙支フリーダムシールド(UFS)」を強行する。北に対する説得力はまったくない。これでは「休戦体制を平和体制へと転換する」道のりは遠いといわざるをえない。(※補足)

「国民主権」政府は当然「国家主権」政府でもある。李政権は韓米・韓日・南北関係において国家主権を堂々と発揮すべきである。国民はそれを望んでいる。

※補足 トランプ米大統領は17日(現地時間)、ホワイトハウスで記者団に対し、自身の対話要請に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が応えたとし、北朝鮮との対話について「非常に前向き」と語った。16日には、韓米合同軍事演習が北朝鮮に不適切なシグナルを送る可能性があるとして、国防総省に演習を大幅に縮小するよう指示したと明かした。米-イラン戦争が長期化する中、トランプ氏が外交的な視線を北朝鮮に向けさせることで、新たな突破口を模索するものとみられている。ただ2018年の朝米対話進展の背景に韓米合同軍事演習の中止があったのは事実であり、いずれにしても同軍事演習が米朝対話にとってマイナス要因であるとトランプ氏が認識していることを、この件は示している。韓国政府はこれを根拠に米国に対し韓米合同軍事演習の廃止(廃止に至る過程での縮小も含め)を迫るべきである。軍事演習を中止してこそ、ピースメーカーもペースメーカーも名前にふさわしい役割を果たせるのではないか。

(8月19日)

※写真-「光復節」の式典で演説する李大統領