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情勢解説

6.3地方選挙…「共に民主党」大勝、「国民の力」審判したが内乱清算・社会大改革推進に一層拍車を

「共に民主党」大勝

李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、初となる全国一斉地方選挙が6月3日投開票された。結果は、与党「共に民主党」が大勝したといえるが、大一番のソウル市長選で敗北し圧勝は果たせなかった。

共に民主党は16ある広域自治体(市・道)長選の12カ所で勝利した。第1野党「国民の力」が保持していた釜山と仁川、大田、蔚山、江原、忠北、忠南の7つの地域を取り戻し、国民の力に大敗を喫した4年前の前回選挙の雪辱を果たした。

特に、伝統的に保守傾向が強かった釜山と江原で接戦の末に、共に民主党が勝利を収めた。ソウルと慶南では当初、共に民主党が優勢と予想されたが、最後まで接戦を繰り広げた末に、共に民主党が苦い敗北を喫した。大邱では最終的に国民の力候補が11万票以上の差をつけて共に民主党候補を制した。

国民の力はソウル市長の座は死守したものの、それ以外は支持基盤の慶北、大邱、慶南のみでの勝利にとどまった。

進歩党は今回の地方選挙で広域自治体議員7人と基礎自治体議員34人、計41人の当選をかちとった。前回選挙(基礎自治体長1、広域自治体議員3、基礎自治体議員17、計21人)より2倍近い当選者を出し躍進した。しかし、同党の広域および基礎団体長候補は落選。共に民主党と候補一本化を実現した蔚山市長候補(共に民主党)は当選したが、2人の区長候補は当選を果たせなかった。

地方選挙と同時に実施された14カ所の国会議員の再・補欠選では共に民主党が9カ所、国民の力が4カ所、無所属が1カ所で勝利した。国民の力を除名され釜山で立候補した韓東勲(ハン・ドンフン)元代表は当選し、国会に初入城することになり、平沢で立候補した祖国革新党の曺国(チョ・グク)代表は落選し、責任を取り代表を辞任した。

広域自治体の教育監選挙の結果は、民主進歩傾向の候補が10カ所、保守傾向の候補が6カ所で当選した。前回は民主進歩傾向9カ所、保守傾向7カ所。

選挙結果について、共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表は「国民の賢明な選択に感謝する」としつつ、「ソウルを奪還できず残念だ」と述べた。国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は「難しい選挙だったが希望の種火は守った」と強調した。進歩党の金在妍(キム・ジェヨン)常任代表は「(広域および基礎自治体議員選での躍進をあげて)国民に心より感謝する」とした上で、遅れた選挙連帯に対する残念さを吐露し、さらなる選挙・政策連帯の重要性を指摘した。

李大統領は8日、就任1年に合わせて開いた記者会見で、選挙結果について、「到底納得できない状況が起きたが、国民がわたし、またこの政権に送った警告」だとして、「より低い姿勢で、より謙虚になるべきだ」との認識を示した。そして「勝ったか負けたかは基準によって異なる」としつつ、「勝つべきところで負けたか、勝たなければならないところで負けたのであれば問題は別だ。少なくとも成功とはいえない」と指摘。「理解できない場面が多くあった。これも結局は国民の警告だと考えている」として、「やはり国民は怖い」と述べた。

投票用紙不足の事態発生

3日、ソウル市の一部地域などで投票用紙の不足により投票が中断される事態が発生した。各党は中央選挙管理委員会(選管委)を一斉に批判。国民の力は同市での開票中断や再選挙を求めたが、共に民主党は反発した。張代表は選挙後も再選挙を要求し、9日には全国での再選挙まで求めた。

選管委は「大きな混乱と心配をおかけした」と謝罪し、盧泰嶽(ノ・テアク)委員長は辞意を表明(その後、受理)。青瓦台(大統領府)は「選管委は国民の参政権を保障する憲法機関として、一部地域の住民の投票権行使や開票管理に支障が出ないよう、責任ある措置を取ることを望む」との立場を示した。

李大統領は8日、青瓦台(大統領府)で国会議長や大法院長(最高裁長官)、憲法裁判所長、首相と会合を開き、今回の事態を「重大な参政権の侵害」と認識し、選挙管理体制を立て直すことで一致した。

「国民の力」審判したが内乱清算・社会大改革推進に一層拍車を

共に民主党は李大統領の高い支持率を背景に大勝し、立法、行政に続いて地方自治についても主導権を握ったことになり、国政運営を順調にかつ速度をあげて進める上で有利な状況が形成された。

国民の力の執行部は、内乱に対する反省と謝罪を最後まで拒否したまま、「尹アゲイン」を主張する極右勢力との関係を深めながら、「李政権審判」を掲げ選挙戦に突入。弾劾・罷免された朴槿恵(パク・クネ)元大統領までテコ入れに引っ張り出した。だが、党の極右化の影響か、従来の保守支持層からの支持も失い、当選は4カ所にとどまり、その中でも自信を持って立地を堅持したといえるのは慶北だけだった。

ソウル市長に当選した呉世勲(オ・セフン)候補は公認問題で同党執行部と軋轢(あつれき)があり、釜山で当選した韓候補は復党を目指せば執行部との対決は避けられない。張執行部の前途は多難だ。大邱市長に当選した秋慶鎬(チュ・ギョンホ)候補は、12.3戒厳クーデター時の戒厳解除の国会決議を妨害した同党の院内代表であり、選挙期間中は批判が集中した。

進歩党は、民主改革進歩勢力の選挙連帯による内乱勢力との1対1の構図をつくり、内乱勢力の清算と社会大改革の推進を実現しようと共に民主党などに候補一本化を呼びかけた。しかし、時間的余裕がないことに加えて、共に民主党は単独で勝利できるとの「自信」(誤判)から、一本化に対して消極姿勢で一貫した。

また、祖国革新党は平沢における一本化提案を受け入れず、その結果、国民の力に「漁夫の利」を与えてしまった。

「民主改革進歩勢力の連帯=反内乱勢力戦線の構築」で選挙に臨み当選することが、内乱勢力の清算と社会大改革の推進という大義の前で、最も望ましい選挙方針であり勝利の方程式だった。あわせて、進歩政党の躍進も課題であったが、この点では決選投票や大選挙区の導入など小政党の進出を促す選挙制度の改革が急がれることを指摘しておきたい。

進歩党は広域および基礎自治体議員選挙では躍進した。代案勢力としての位置を築き、進歩政治を本格的に推進する動力を獲得した。「光の革命」の完遂のためには、進歩党をはじめ進歩勢力が「光の広場」の市民と共に、国民主権政府を激励し、批判し牽制(けんせい)することが欠かせない。進歩党の院内における位置と院内外をつなぐ役割はますます重要となった。

国民(有権者)は今回の選挙で国民の力を審判した。だが、ソウルと大邱の市長選で起こったことを李大統領は指摘し、国民の力に「希望の種火」を残してしまったのは事実だ。

 民主改革進歩勢力は選挙で得た成果を土台にし、教訓をいかしながら、内乱勢力の徹底清算と社会大改革の推進に一層拍車をかけなければならない。「光の革命」の完遂はまだ途上である。 (6月10日)

※写真-広域自治体長選の結果 青が「共に民主党」当選(12カ所)、赤が「国民の力」当選(4カ所、左上からソウル、慶北、大邱、慶南)