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トランプ政権の対韓経済収奪…韓国政府は「国益重視の実用外交」展開を
米、新関税措置に向けた調査
トランプ米政権は3月11日(現地時間)、新たな関税措置に向け、韓国や日本、中国など16カ国・地域を対象に通商法301条に基づく調査を開始すると発表した。
通商法301条は米国の貿易に影響を与える外国の不当で差別的な政策に対し、関税賦課などで対応する権限を政府に与える。
今回の調査は米連邦最高裁判所が先月、国際緊急経済権限法に基づいて課していた相互関税などを違憲と判断したことを受け、トランプ政権が代替関税を課すため行う。
国会「対米投資特別法」可決
韓国が米国に約束した3500億ドル(約55兆6700億円)規模の投資を履行するための対米投資特別法案が12日、国会本会議で与野党の賛成により可決された。
韓米両国は昨年11月、対米戦略的投資に関する了解覚書に署名し、与党「共に民主党」が特別法案を国会に提出した。
特別法には、韓米業務協約に基づき投資を履行するために「韓米戦略投資公社」を設立する内容が盛り込まれた。
3500億ドルのうち1500億ドルは造船業に、2000億ドルは韓米両国の経済・国家安全保障の利益を増進する分野に投じられる。
公社の資本金2兆ウォン(約2150億円)は政府が全額出資。出資の時期と方法は大統領令で定める。
公社社長の任期は3年で、金融や戦略的産業分野で10年以上の経験を有する者に限られる。
公社には「韓米戦略投資基金」が設けられ、財源は公社の拠出金、委託機関の事前同意を得た委託資産、韓米戦略投資債券の発行で調達した資金などが用いられる。
同基金は、今後米国政府が指定する投資機関への出資・投資や、造船協力投資支援のための融資・保証などに使用される予定だ。
韓米両国は昨年11月、対米投資関連法案が韓国国会に提出される月の1日付けにさかのぼって関税引き下げ措置を適用することで合意した。与党「共に民主党」は同月26日に国会に法案を提出し、関税は1日付けで引き下げられた。
法案は所管の常任委員会である国会財政経済企画委員会での審議を控えていたが、トランプ米大統領が今年1月、法案が国会を通過していないことを理由に関税を再び引き上げる方針を表明し、状況が一変した。
与野党はこれを受け、立法を急ぐために特別委員会を設置。特別委員会は約1カ月にわたる議論を経て全会一致で特別法案を可決した。
「国益重視の実用外交」展開を
トランプ政権は世界各国に関税爆弾を投じた。韓国政府はこれに脅された結果、理不尽な対米巨額投資と引き換えに関税引き下げを得た。まさにトランプ大統領が得意とするディール(取り引き)にはめられたといえる。
国会での審議を通じて対米投資にブレーキをかけることも可能であったが、ここでもトランプ政権に脅されると、あわてて与野党ほぼ一致(進歩党など8議員が反対)で投資関連法案を通過させてしまった。米連邦最高裁で関税爆弾に違憲決定が出たにもかかわらずだ。
そして、トランプ政権は違憲決定を受けて代替関税を課すために対象国の調査を開始するという。米国にとって同盟国・韓国は経済収奪の対象でしかない。政府は今こそ「国益重視の実用外交」を展開するときだ。(3月25日)
※写真-トランプ大統領



