情勢コーナー

情勢解説

国連憲章と国際法を無視し国家主権を蹂躙する暴挙     米・イスラエルのイラン軍事侵略を断固糾弾する!

米・イスラエル、イランを軍事侵略

トランプ米政権はイラン政府との核交渉を一方的に打ち切り、イスラエルと共に2月28日、イランに対する軍事侵略(空襲)を開始した。トランプ大統領は「大規模戦闘作戦の開始」を宣言し、イラン国民に「われわれの作戦終了後、政府を掌握せよ」と体制転換を呼び掛けた。イスラエルのネタニヤフ首相は、米国とともにイランの核武装を阻止し「存亡の脅威を排除する」と表明した。

これに対しイランは報復攻撃を開始した。革命防衛隊は報復を表明し、イラン高官は中東テレビ局アルジャジーラに「侵略後にレッドラインはない」と強調。「中東にある米国とイスラエルのすべての資産と利益は正当な標的になった」と述べ、「あらゆる可能性がある」と警告した。

国連事務総長「あらゆる手を尽くすべき」

国連のグテレス事務総長は28日の安保理緊急会合で、「国際の平和と安全への重大な脅威」と強い危機感を示し、敵対行為の即時停止と緊張緩和、イラン核問題を含む交渉への即時復帰を求め、「さらなる事態悪化を防ぐため、あらゆる手を尽くさなければならない」と訴えた。

イラン、最高指導者殺害で報復宣言

イラン政府は3月1日、米国とイスラエルによる軍事侵略で最高指導者アリ・ハメネイ師が殺害されたことを受けて声明を出し、「大罪の実行犯と扇動者に、自身が取った行動を後悔させる」と報復を宣言した。また、国民に対し「神の支えと団結により、誇りを持ってこの難局を打破しよう」と呼び掛けた。

大統領府「鋭意注視」

青瓦台(大統領府)関係者は1日、ハメネイ師が死亡したことについて、「関連動向を鋭意注視しながら国民の安全のために多角的な措置を取っている」と明らかにした。また、「中東の安定や平和が早期に回復することを望む」と表明した。

青瓦台は国家安全保障会議(NSC)を開催するなど、今回の事態の影響を注視している。

祖国革新党と進歩党、イラン侵略糾弾

祖国革新党のハン・ガソン報道担当は1日、「国連憲章に全的に違反する米国の侵略行為を強く糾弾する」と述べ、「米国は軍事行動を即時中止し、国際法の順守と外交的解決に戻るべきだ」と要求した。

進歩党のチョン・ヘギョン議員も論評で「主権国家に向けた露骨な侵略」だと批判し、「侵略行為を即時中止し対話へと戻るべき」「国連と各国政府、全世界の平和勢力は、戦争の拡散を防ぐために国際連帯に乗り出そう」と訴えた。

米大使館前で侵略中止を要求

自主統一平和連帯と全国民衆行動などの市民社会団体は1日、ソウル光化門の米大使館前で緊急記者会見を開催し、米国とイスラエルによるイラン侵略戦争の即時中止を要求した。

参加者は記者会見文で「全世界の民衆の力で米国による帝国主義的侵奪を阻止し、平和主権を守護しよう」と訴えた。

同団体などは5日、イスラエル大使館にも抗議行動を展開した。

朝鮮、イラン軍事侵略を糾弾

朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は1日、談話を発表し、米国とイスラエルによるイランへの軍事侵略について、「徹頭徹尾、不法非道な侵略行為であり、最も醜悪な主権侵害」だと糾弾した。

談話は、「地域で長期間持続した米国の対イラン軍事的威嚇が現実的な軍事的侵攻につながるという事実はすでに、可能な予測範囲内にあり、米国の覇権的な属性から必ずそうなるしかない論理的帰結」だと指摘。「自国の利己的かつ覇権的野望を達成するためなら、軍事力の濫用もためらわない米国とイスラエルの振る舞いを最も強い語調で糾弾する」とした。

米「攻撃継続」、イラン「徹底抗戦」

トランプ大統領は2日、イランの核・ミサイル関連施設や海軍の破壊が「われわれの目標だ」と明らかにした上で、「どれだけ時間がかかろうと、(目標達成に)必要なことは必ず成し遂げる」と述べ、攻撃継続を表明した。

一方、イランで外交や国防を統括する最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は2日、「われわれは長期戦に備えている」と強調し、徹底抗戦の構えを示した。

イランのイスラム法学者らで構成する「専門家会議」は8日付けの声明で、死亡した最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者として、次男のモジタバ・ハメネイ師を選出したと発表した。新指導者に対しイスラム革命防衛隊は即座に忠誠を誓い、マスード・ペゼシュキアン大統領や軍、司法府も支持を表明した。

トランプ政権のイラン侵略を断固糾弾する

トランプ政権は2月28日、イランとの核交渉を一方的に終了し、「米国の安全」を名目に「体制転換」を掲げてイスラエルと共にイランへの軍事侵略を開始し、最高指導者ハメネイ師を殺害した。まさに、イランに対するテロ行為であり、指導者を除去する斬首作戦の実行だ。ベネズエラに続いて、国連憲章と国際法を無視し国家主権を蹂躙(じゅうりん)する暴挙を、国際社会は断固糾弾しなければならない。

トランプ政権の「力による平和」政策は軍事力を動員した戦争政策である。こうした戦争政策を許せば、世界の平和と安定は破壊され、国際社会がそれなりに築いてきた国際秩序も崩壊し、さらに混沌とした世界情勢を迎えることになるのは明らかだ。国際社会は決してこれを許してはならない。米国はすぐさま軍事攻撃を中止すべきである。

トランプ政権に対する国際的非難が沸き起こり、いわゆる西側主要国の中でもスペインやカナダのように米国を批判したり距離を置く国々があらわれている。だが、韓国政府は「事態の鋭意注視」を強調するばかりで、米国に対する批判はない。韓米同盟を重視する韓国政府として難しい立場に置かれていることをうかがわせる。

しかし、米国が安保防衛戦略に基づいて同盟国・韓国に軍事費増額と軍事的役割分担を強要するだけでなく、韓国を経済収奪の対象としていることはこの間ますます明らかになっている。

西海(黄海)で在韓米軍機と中国機が対峙し緊張を高めた事件は、米国には同盟国・韓国を防衛する考えはなく、むしろ米国がつくり出す軍事緊張に韓国が一方的に巻き込まれる危険性をはっきりと示した。実際に、イランはサウジアラビアなど近隣諸国に散在する米軍基地を反撃対象としている。米軍基地を抱える韓国としても「対岸の火事」ではすまされない。そして、大規模な韓米合同軍事演習「フリーダムシールド(9~13日)」の強行は朝鮮半島と東アジアの緊張をいやがうえにも高め、朝鮮の強い反発は避けられない。

国民の間で「わが国の安全保障を危うくする米国と同盟関係を維持する必要があるのか」との疑問が出て当然である。

主権は対内的には国民主権、対外的には国家主権、すなわち自主権としてあらわれる。「光の革命」の中から誕生し、国民主権政府を自任する李在明(イ・ジェミョン)政権には、朝鮮半島と東アジアにとどまらず、世界の平和を実現するために自主権を発揮しながら、発言し行動することが求められているのではないだろうか。

(3月11日)

※写真-米大使館前での緊急記者会見