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高市政権、総選挙圧勝…激化する東アジアの軍事緊張
日本総選挙、自民党が圧勝
日本の第51回総選挙の議席が2月9日確定し、自民党は公示前の198議席から316議席へと大幅に増やし、戦後初めて単独で定数(465)の3分の2をこえる議席を獲得した。自民・維新の連立与党では、計352議席と公示前から120議席増となった。
自民党の獲得議席は過去最多だった1986年の300議席や、2009年に民主党が得た308議席を上回った。参院で法案が否決されても衆院での再可決が可能となり、改憲発議にも道を開く結果となった。
一方、立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合は、公示前の167議席から大きく後退し、49議席にとどまった。
高市首相、改憲推進を表明
高市早苗首相(自民党総裁)は9日、総選挙の結果を受け同党本部で記者会見を開催。高市氏は政権運営について「国民の皆さまからのご信任をいただいた」と述べ、憲法改定や軍備増強を進めていく考えを示した。
とりわけ、憲法改定に向けた取り組みを加速させる考えを表明。高市氏は「自民党総裁として憲法改正を政策に掲げ、力強く取り組みをすすめていかなければならない」とし、「これまでの論点整理や議論の蓄積を踏まえ、各会派の協力を得て改正案を発議する」「少しでも早く憲法改正の賛否を問う国民投票が行われるよう環境をつくっていく」と述べた。
また、安定した政治基盤は、強い外交を進めていくための大きな力となるとした上で、「安倍晋三総理が自由で開かれたインド太平洋を提唱してから10年、その深化を目指す」「来月にも訪米しトランプ大統領と世界の課題についてじっくり協議する」と述べた。そして日米同盟を基軸に、韓国、フィリピン、オーストラリアとの連携を強化すると語った。
靖国神社参拝問題にも言及し「環境を整えるために努力している。同盟国や周辺諸国にも理解を得る」と述べた。
高市氏は「国益を戦略的に守る体制を整える」ためとして、安保3文書を前倒しで改定する考えを示した。国家情報局の設置などに加え「無人機の大量運用を含む新しい戦い方」や「長期戦への備え」といった方針をあげ、軍備増強を進める考えを明らかにした。
大統領府、韓日関係「未来志向で」
青瓦台(大統領府)のキム・ナムジュン報道官は10日の記者会見で、衆院選で自民党が圧勝したことを踏まえた今後の韓日関係について、「安定した発展の方向性について意見を交換し、共通の課題を解決していくことに注力するという立場は今も変わっていない」と明らかにした。
高市政権の右傾化を懸念する質問に対しては、「首脳会談などを通じて継続的に確認してきた通り、両国関係は未来志向で進むべきだ」として、「まだ起こっていないことについて話すことはできない」と述べた。
李在明(イ・ジェミョン)大統領は9日、自身のX(旧ツイッター)を通じ、高市首相に祝意を表明。「近いうちに次回のシャトル外交を通じ、韓国にお迎えできることを心より楽しみにしている」と投稿した。
激化する東アジアの軍事緊張
高市首相は、安倍元首相が目指した「米国と共に戦争する『普通の国』づくり」を完成することを目標としているようだ。今回の総選挙の結果について、そのための「安定した政治基盤」がまずは構築されたと述べている。
すでに、目標に沿って△米国の意向に従い大軍拡を図り、中国や朝鮮への軍事対応を準備する△安保3文書の改訂と憲法9条の改定を進めて、戦争準備のための法的体制を整備する△「スパイ防止法」などを制定することで戦争遂行に必要な「社会秩序」統制を意図するなど、方向性は明らかになっている。こうした政策は、中国や朝鮮の反発と軍備競争の悪循環を招き、東アジアの軍事緊張を激化させる極めて危険なものといわざるをえない。
また、高市政権は「外国人材の受け入れ」と「秩序ある共生」を掲げて、移住者に対応するとしている。しかし、実際には高市氏自らが「奈良の鹿発言」で如実に示したように、差別と排外を生み出す官製ヘイトの発信者となっている。
そして、軍事国家への歩みを急速に進める日本は、過去の侵略戦争と植民地支配を肯定し、反省や謝罪をすることはないだろう。
李在明政権は、これからの韓日関係をこれまで通り「未来志向で」と済ませるのではなく、国民主権政府として、歴史清算を通じた正しい韓日関係の確立、南北の関係改善、東アジアの平和実現のために、いまこそ「国益重視の実用外交」を堂々と日本に対し推し進める、そうした判断をすべきである。(2月11日)
※写真-記者会見する高市首相



