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「長生炭鉱」犠牲者の遺骨発見

1942年2月の水没事故で朝鮮人136人を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」。事故直後に炭鉱は閉鎖され、以来83年間も犠牲者の遺骨は海底に置き去りになっている。韓国の市民団体「長生炭鉱犠牲者帰郷推進団」と日本の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」などは昨年9月に水中調査を開始し、8月26日についに炭坑内から遺骨を引き揚げた。これを受けて超党派の国会議員有志らが9月4日、厚生労働省に申し入れたが、同省は「遺骨の位置が不明」「収容作業の安全性に懸念がある」などと一貫して消極的な姿勢。一方、朝鮮に本籍を置く犠牲者の遺族パク・クムスクさんが、朝鮮新報平壌支局に初めて証言し、「曽祖父の遺骨を必ず故郷に戻してほしい」と語った。朝鮮にいる遺族の存在が明らかになるのは初めてだ。