情勢コーナー

情勢解説

広場・野党の共闘による圧倒的政権交代で内乱勢力清算・社会大改革を実現し、「光の革命」を完遂しよう!

共闘に合意した広場・野党、共同候補に李在明氏

「広場大選連合政治市民連帯-諸政党 連席会議」は5月9日、国会で記者会見を開催し、「今回の大統領選(大統領選)において積極的な連帯と協力を通じ、極右内乱勢力の再執権を阻止し、国民主権を守護するために、圧倒的な勝利をつくりあげる。また、極右内乱勢力を清算し、社会大改革の課題を推進するための広場-連合政治の時代を開いていく」と共同宣言(別掲)を通じて目標と方向性を明らかにした。

そのために、「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補を広場大選候補として選定し、支持を宣言した。これに従い、進歩党のキム・ジェヨン候補は出馬を辞退した。

また、△内乱行為に対する徹底した真相究明と法的責任を問うために、特別検察法を推進し、「反憲法行為特別調査委員会」を設置する△拒否権行使のために廃棄された諸法案の早期再立法化を推進する△決選投票制の導入、議会選挙における比例代表性の拡大強化、院内交渉団体の基準緩和など、政治改革を推進する△国民の基本権強化と憲政秩序守護のための改憲を推進する△市民社会と諸政党が参与する「社会大改革委員会」を発足させることなどを提起した。

広場大選連合政治市民連帯のパク・ソグン共同議長は「まだ内乱は終息していない。光の広場の市民の力と民主憲政守護の政党が合体してこそ、内乱勢力の再執権阻止と圧倒的な政権交代が、内乱勢力の徹底清算と社会大改革の実現が可能になる」とし、「今日の記者会見は新しい大韓民国と根本的な社会大改革に向けた歴史的な転換点となる」と期待した。

金文洙、「国民の力」公認候補に復活

大統領選を巡り、旧与党「国民の力」の予備選を勝利した前雇用労働部長官・金文洙(キム・ムンス)と前首相・韓悳洙(ハン・ドクス)の一本化交渉が決裂し、同党執行部は10日、金文洙の公認を一時取り消した。執行部は、韓悳洙への候補交代を目指したが、同日実施した党員投票で否決され、金文洙の公認が復活した。

正式な手続きで選出された候補を執行部主導で強引に交代させようとした異例の事態で、党内外から「非民主的」と批判が広がっていた。

 同党トップの非常対策委員長・権寧世(クォン・ヨンセ)は「一本化を成し遂げられず、本当に残念だが、全ての責任を取ってわたしが退く」と辞任した。

大統領選がスタート

6月3日投開票の大統領選は12日、公式選挙運動期間に突入した。中央選挙管理委員会によると、大統領選には計7人が立候補を届け出た。

 「共に民主党」の李在明、「国民の力」の金文洙、「改革新党」の李俊錫(イ・ジュンソク)、「民主労働党」の権英国(クォン・ヨングク)、「自由統一党」のク・ジュワ、無所属のソン・ジンホ、黄教安(ファン・ギョアン)候補が登録した。

 日本における在外投票は20~25日(一部22~24日)。

平壌浸透・無人機は韓国軍無人機司令部のものと酷似

国防部傘下の国防科学研究所は最近、昨年10月に平壌で墜落した無人機(ドローン)と韓国軍無人機司令部が使用する無人機が「非常に類似する」との報告書を公開した。

これについて自主統一平和連帯(平和連帯)は16日、ソウル・警察庁国家捜査本部前で記者会見を開催し、「国防部が直接、平壌に無人機を浸透させようとしたことを立証する決定的証拠」だとし、無人機のピョンヤン浸透を通じて戦争を誘導しようとした内乱・外患(国家の対外的安全を害すること)勢力に対する徹底した捜査と処罰を要求した。

平和連帯は昨年12月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)と前国防部長菅・金龍顯(キム・ヨンヒョン)ら12.3戒厳内乱主導者4人を「戦争誘導」「外患罪」容疑で告発している。

尹錫悦、「国民の力」離党

尹錫悦は17日、国民の力を離党した。党内からは大統領選に向けた中間(無党派)層取り込みのため、尹錫悦の離党を求める声が出ていた。党臨時執行部トップの金龍泰(キム・ヨンテ)非常対策委員長は15日の記者会見で、離党を求める考えを示した。

 尹錫悦は同日、フェイスブックに離党はするものの、自由と主権を守るため、白衣従軍(一兵卒として従軍の意)するとし、同党候補・金文洙への支持を訴えた。金文洙は離党について、本人が決定することだと判断を避けていた。

 尹錫悦は19日、内乱首謀罪に関する第4回公判に出廷した。公判前後に報道陣が尹錫悦に向けて、非常戒厳について謝罪する気持ちがあるか、「離党は偽装ではないか」などと問いかけたが、尹錫悦は無言のまま応じなかった。

5・18民主化運動式典、金文洙は欠席

「5・18民主化運動(光州民衆抗争)」から45年となる18日、同市にある国立5・18民主墓地で記念式典が開かれた。

 大統領権限を代行する李周浩(イ・ジュホ)社会副首相兼教育部長官をはじめ遺族や市民ら約2500人が参加した。大統領選を控え、李在明、李俊錫、権英国候補が出席した。

金文洙はテレビ討論会の準備を理由に欠席したが、特戦司令官として光州民衆抗争の弾圧に加担した鄭鎬溶(チョン・ホヨン)を選挙対策委の顧問に任命しようとして批判を浴び、式典実行委から参席を拒否されていた。

テレビ討論会、「北核」巡り舌戦

大統領選の主要候補による初のテレビ討論会が18日に開かれ、李在明、金文洙候補が朝鮮の核問題の解決策を巡って舌戦を繰り広げた。

 金候補は「米国と協力し、在韓米軍や米国の原子力潜水艦、戦略爆撃機、グアムに駐留する米軍や在日米軍などがすべて連帯し、北の核に対応できる二重、三重の防御幕を張らなければならない」とし、「防衛だけでなく、必要な時は北の指揮部を完全に壊滅させることができる報復打撃などを確実に確保してこそ、わたしたちの安全保障が維持されるのではないか」と主張。

 これに対し、李候補は「(金氏が主張する)拡大抑止はすでに韓米で十分に協議され、相当程度の装置が設けられている」と反論。「朝鮮半島の核は基本的に『北が核を持っているため、わたしたちも核を持とう』という方式では、日本も東南アジアも核武装をして核のドミノ現象を起こすため、簡単ではない」とした上で、「可能な範囲内で通常軍事力を最大限拡大し、米国の核の拡大抑止力を最大限共有する方式でこれまでやってきた」とし、「今後もそうしながら朝鮮半島を非核化する方向で目標を定めていかなければならない」と主張した。

李在明候補が支持率50%超でトップ維持

韓国世論調査会社のリアルメーターが19日に発表した調査結果によると、次期大統領にふさわしい人物を尋ねる調査で、李在明候補が50.2%の支持を得て1位を維持した。金文洙候補は35.6%、李俊錫候補は8.7%だった。

 現在支持する候補を大統領選まで支持する意向があるかについては、「引き続き支持する」との回答が82.3%だった。

 大統領選で政権交代を望む人は55.6%、国民の力政権の継続を望む人は39.5%だった。

 調査は14~16日、全国の18歳以上の1509人を対象に実施された。

「光の革命」を完遂しよう

「広場大選連合政治市民連帯」と5野党による連席会議は、大統領選において内乱勢力の再執権を阻止して圧倒的な政権交代を成し遂げ、内乱勢力を清算し、社会大改革を推進するために、広場と野党の連帯で広場-連合政治の時代を開くと明らかにした。院内外を貫く広範な民主連合戦線がついに構築された。パク・ソグン氏の言葉どおり「歴史的転換」といえる。

「国民の力」の候補選出過程における混乱は、親尹派の指導部による「金文洙おろし→韓悳洙擁立」強行策が引き起こしたものだが、最終的に金文洙が候補として復活したことで、そのシナリオは破たんした。これは、支持率で金文洙を上回る韓悳洙の「首相イメージ」を利用して内乱政党であることを覆い隠しながら、中間層の取り込みを狙い、韓悳洙に改憲を云々させて国民を幻惑し、内乱勢力の生き残りと復活を図った策略と言える。内乱政党と呼ぶにふさわしい醜態を国民の前で平然と繰り広げたあまり、朴槿恵(パク・クネ)元大統領の支持団体でさえ同党への「幻滅と怒り」から、支持を撤回し李候補を支持すると表明した。

尹錫悦は罷免されたことを意に介さず平然と政治活動を続け、離党表明した17日には「金文洙支持」を訴えた。内乱同調者・金文洙候補が内乱首謀者・尹錫悦の支持をあらためて公然と受けたことを示した。

曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官)による李在明氏関連裁判の高裁無罪判決に対する破棄差し戻し決定に続いて、尹錫悦の内乱事件裁判で裁判長を務めるソウル中央地裁の池貴然(チ・グィヨン)部長判事が、事件の関係者から接待を受けていたとする疑惑まで明らかになった。さらに、元首相・黄教安候補は「不正選挙の剔抉(てっけつ=暴き出すこと)」を公約に掲げ、極右・自由統一党候補と共に、大統領選を不正選挙だとして政治騒乱を起こそうとするのではとの疑惑を払しょくしきれない。いまだ内乱は終息せず継続していると言わざるを得ない。

まさに今回の大統領選の構図は、民主憲政守護勢力と内乱勢力との闘いだ。重要なのはこの間、内乱勢力と果敢に闘い、成果をあげ勝利を収めてきた広場の市民の力にしっかりと依拠し闘うことである。

広場連合=民主連合戦線と言える連席会議は、国民のパワーを総結集し内乱勢力の再執権を許さない圧倒的な政権交代を成し遂げ、その動力で次期政権は、内乱勢力の徹底清算と社会大改革の課題を広場と共に実現しなければならない。そうした過程を通じて広場連合は民主連合政権へと発展し、さらには自主・民主・統一を展望する自主的民主政権を実現する道へとつながるはずだ。広場の市民が民主主義を守るために繰り広げた闘いとその勝利は「光の革命」と呼ばれている。光の革命を必ず完遂しなければならない。

写真-大統領選挙出征式で演説する李在明候補

(2025年5月20日)