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情勢解説

広場と野党、尹錫悦釈放に激怒…罷免決定まで緊急総力戦を展開

3.1節、13次汎市民大行進など開催

約1700の市民社会団体による連帯組織である「尹錫悦(ユン・ソンニョル)即刻退陣・社会大改革 非常行動」(非常行動)は3月1日、ソウル光化門で「尹錫悦即刻退陣! 社会大改革! 13次汎市民大行進」を「戦争も屈辱外交もなく、尹錫悦もいない3.1節」をテーマに開催し、20万人(主催側推算)が参加した。大行進前には、韓日歴史正義平和行動と自主統一平和連帯(平和連帯)が慶福宮駅前で「3.1革命106周年 歴史正義・平和主権 市民大会」を開催した。

また、「内乱終息・憲政守護 新しい大韓民国 円卓会議」(円卓会議)を発足させた5野党(「共に民主党」、祖国革新党、進歩党、基本所得党、社会民主党)は憲法裁判所(憲裁)近くの安国駅前で「内乱終息・民主憲政守護 尹錫悦罷免要求 汎国民大会」を共同開催した。

大行進の出発集会でイ・ホンジョン非常行動共同代表(平和連帯常任代表議長)は「未完の解放、分断80年に迎える3.1運動106周年の今日も独立と解放運動は継続している」と強調し、「主権者の力で内乱を終わらせ民主主義と自主、平和、統一の春を早めよう」と訴えた。

非常行動と円卓会議、緊急総力戦に突入

非常戒厳宣言を巡り内乱首謀罪で逮捕、起訴された尹錫悦が8日午後、釈放された。ソウル中央地裁は7日、尹錫悦の勾留取り消しを決定。捜査チームの非常戒厳特別捜査本部は釈放に反対し即時抗告を主張したが、最終的にシム・ウジョン検事総長ら大検(最高検)首脳部は裁判所の決定を受容した。

非常行動は尹釈放を緊急事態と規定し、早期罷免のための総力戦に即刻突入。8日には光化門で14次汎市民大行進を開催し、結集した30万人の参加者は尹釈放に激怒し、「尹錫悦を永遠に監獄に閉じ込めろ!」「シム検事総長は辞めろ!」と一斉に声をあげた。共同議長団は同日から罷免決定が出るまで、光化門で無期限断食ろう城に入り、毎夕、緊急市民集会を開催。また、尹釈放を主導したシム検事総長を職権乱用容疑で10日、警察国家捜査本部に告発した。

野党も早期罷免を要求し緊急対応に入った。円卓会議の5野党は1日に続いて8日にも共同で大会を開催。10日には国会で会見を開き、「拘束取り消し決定に簡単に投降して内乱の首謀者を釈放し、内乱の共犯であることを自白した」として、シム検事総長を職権乱用容疑で独立捜査機関「高位公職者犯罪捜査処」(公捜処)に告発することにした。

非常行動と6野党、共同闘争を決意

非常行動と5野党、正義党は10日、連席会議を開催し、「尹錫悦の罷免と内乱終息、社会大改革のための非常行動・諸政党連席会議 共同立場文」を発表した。共同立場文は△内乱首謀者・尹錫悦を即刻罷免し処罰するために市民と共に最後まで闘う△内乱の徹底した真相究明と処罰、内乱の完全な終息のために固く連帯する△内乱の再発防止のために至急で必須の法制度改善のために協力する△内乱勢力の審判と再執権阻止のために力を集める△差別と嫌悪の政治を排撃し、多様性を尊重し民意を反映する政治を共に具現する△尹錫悦の罷免以後にも市民参与が保障される中で民主主義回復と平和実現、社会大改革を成し遂げるために協力する△以上の共同決意を履行する方案について後続協議を進めるとした。

15日に全国で大規模罷免大会

非常行動は11日、光化門で尹錫悦即刻罷免緊急集会を開催。前日10日には12万人、この日は15万人が結集した。ソウル・首都圏だけでなく全国から参加した市民、この日から1泊2日の屋外ろう城に取り組む民主労総組合員、そして野党が尹錫悦罷免を要求する声を一斉にあげた。

また、非常行動の代表者130余人はろう城現場で記者会見を開催し、尹錫悦罷免に同意するすべての市民に集会への結集とろう城への参加を訴えると共に、3月15日には全国で100万人以上の規模で尹錫悦罷免大会を推進すると明らかにした。

憲裁は早期に罷免を決定しろ

ソウル中央地裁による尹錫悦の勾留取り消し(釈放)決定は、拘束期間を日数で計算してきた従来の慣例を時間単位に変え、拘束期間が満了したとの判断に基づいた点で、完全に新しい解釈をしたものであり、非常に異例なことである。現場の捜査本部は即時抗告を主張したが、シム検事総長ら最高検指導部は受け入れず、地裁決定をそのまま受容し、尹錫悦を釈放した。現場の反発が続き、広場と野党から釈放への糾弾の声があがる中、最高検は11日、なんと従来どおり日数を基準に計算するよう全国の検察に通達した。今回の事態は尹錫悦のための「ワンポイント特恵」であったことを検察自ら認めた格好だ。尹政権が検察独裁と呼ばれたことを想起させる。内乱同調行為をはたらいたシム検事総長は、責任を取り即刻辞任すべきだ。

尹錫悦と内乱・反乱勢力は釈放があたかも無罪を意味するかのように喧伝するが、尹釈放と弾劾審判には何の関係もない。憲裁は尹釈放に影響を受けることなく、尹錫悦に対し一日も早く罷免を決定し宣告することだ。それが内乱終息、憲政守護を実現する大道への扉を開く。そのために、広場と野党は連帯を強化しながら、緊急総力戦・共同闘争を繰り広げ、15日には全国で100万規模の罷免大会を開催するとしている。

全力をあげて尹錫悦の早期罷免をかちとろう。

(3月12日)

※写真-尹錫悦罷免を要求する韓国市民