情勢コーナー
国民のパワーで内乱首謀者・尹錫悦を罷免・断罪し内乱勢力を清算しよう!

国会側、迅速な罷免要求
尹錫悦(ユン・ソンニョル)を弾劾訴追した国会側の代理人団共同代表を務める金二洙(キム・イス)弁護士は1月21日、憲法裁判所で同日開かれた弾劾審判の第3回弁論に先立ち、「尹大統領は元日に(自身の支持者ら)デモ隊に対し『皆さんと最後まで戦う』とメッセージを出して以来、一貫して司法システムを否定している」と指摘した上で、「迅速な弾劾審判による大統領の罷免が崩れゆく法治主義回復のための近道」との立場を示した。
金氏は、被請求人(尹錫悦)が自身を支持する勢力を「愛国市民」として扇動しているとし、司法システムの不正行為が19日にソウル西部地裁で起こった同氏支持者らによる暴動につながったと主張した。
尹錫悦、弾劾審判弁論で発言
尹錫悦は21日、憲法裁判所(憲裁)の弾劾審判の第3回弁論に初めて出席し、△非常戒厳令の解除要求決議を妨害するため、議員を国会から引きずり出すよう指示したことはない△戒厳の布告令についても執行の意思や実行計画などはなかった△戒厳宣言の際に中央選挙管理委員会に軍を投入したのは、不正選挙を暴くためではなく選管委の電算システムの点検のためと主張した。
23日の第4回弁論では、△(国会は)失敗した戒厳だと主張しているが、失敗した戒厳ではない△(戒厳は)野党に対する警告ではなく、主権者の国民に向けてしたものと主張。
2月4日の第5回弁論では、戒厳宣言に関し「実際に何も起きなかった」と主張した。
検察、尹錫悦を内乱罪で起訴
検察は1月26日、尹錫悦を内乱罪などで起訴した。韓国で現職大統領が起訴されるのは初めて。
検察は大統領が不訴追特権を持つ職権乱用権利行使妨害の罪は適用しなかった。
検察は「これまで捜査した共犯事件の証拠資料、警察が捜査した証拠資料などを総合的に検討した結果、起訴することが相当だと判断した」と明らかにした。その上で、「証拠隠滅の恐れが解消できないことなどを考慮し、拘束期間の満了前に起訴した」と説明した。
尹錫悦は違法な非常戒厳を宣言して武装した戒厳軍を国会に投入するなど、国憲を乱す目的で暴動を起こした罪に問われた。政界の要人や中央選管委の職員を逮捕しようとした罪にも問われている。
尹錫悦側は罪を全面的に否認している。
与党・大統領室、尹錫悦と面会
内乱罪で起訴されソウル拘置所に収容されている尹錫悦は2月3日、与党「国民の力」の執行部メンバー、権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長と権性東(クォン・ソンドン)院内代表らと面会した。
尹錫悦は戒厳宣言の正当性について説明し、権両氏は国会状況や憲裁の審理の偏り、憲裁の偏った裁判官に対する懸念について話したという。
大統領室高官や与党議員らによる尹錫悦との面会が続いている。
「内乱終息・憲法守護 円卓会議」提案
祖国革新党の金宣旼(キム・ソンミン)代表権限代行は2日、国会で開催した記者懇談会で、「共に民主党」など野党と市民社会団体に「内乱終息と憲法守護のための円卓会議」を提案した。
金氏は「内乱残党が政権を再び握れば、また戒厳令を宣言するだろう」「圧倒的な勝利で政権交代しなければならない」と述べた。また「2025年の政権交代は、強力な連帯と連合でわが社会の改革課題を正しく履行すべき」と主張した。
「共に民主党」と進歩党は歓迎の意を表し、具体的な協議を進めようと応じた。
8・9・10次「汎市民大行進」開催
「尹錫悦即刻退陣・社会大改革 非常行動」は「尹錫悦即刻退陣! 社会大改革! 汎市民大行進」を1月25日から毎週土曜日、8・9・10次とソウル市内で連続開催し、毎回10万人が結集する中、参加者は、内乱首謀者・尹錫悦の罷免・有罪・退陣を要求する声を一斉にあげた。
10次大行進では日本から参加した菱山南帆子氏(「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」共同代表)が力強く連帯のメッセージを伝えた。(活動報告「日韓プラットフォームが記者会見」参照)
非常行動では社会大改革特別委員会を設置し改革案を論議・準備中。9次大行進ではパク・レグン同委共同委員長が「わたしたちは現在、内乱勢力を追い出し、民主憲政秩序を打ち立てる闘いをしている。(※キャンドル革命後の積弊清算が不十分で尹政権を誕生させてしまった)8年前の誤りを繰り返してはならない。わたしたちが望む社会に向けてともに最後まで進もう」と訴えた。
国民のパワーを発揮しよう
尹錫悦は弾劾審判弁論に出席し持論を展開。提起されるすべての疑惑を全面否定しながら、「自由民主主義が信念」だと強調し、戒厳宣言は「失敗した戒厳ではない」と強弁した上で、野党に対する警告ではなく「主権者の国民に向けたもの」と正当化を図った。
だが、これは主権者・国民に対する許しがたい挑戦であると同時に、憲裁の審理の場を利用して自らの主張を展開し、そのことを通じて、内乱勢力と支持者に向けてアピールするだけでなく、再び裁判所への暴動のような物理力行使が引き起こされるよう間接的に扇動していると言っても過言ではない。特に最近では憲裁への批判・非難がエスカレートしており、罷免決定を承服せず、支持者による憲裁攻撃のための布石ではと指摘されている。
憲政秩序の破壊と内乱という重大犯罪行為に何の反省もないまま開き直り、自身の職務復帰まで企図する尹錫悦、そして「尹詣で」までして尹錫悦を徹底擁護し執権継続を狙う国民の力などの内乱勢力。国民はこれらの反民主勢力を決して許さない。
憲裁は迅速な審理で尹錫悦の罷免を決定し、検察は早期に有罪へと追い込み、尹錫悦の退陣と内乱勢力の清算を実現しなければならない。
非常行動は継続して光の広場をつくりながら、社会大改革の準備も着実に推進している。円卓会議は院内外を網羅する尹退陣汎国民戦線の構築、さらには次期政権づくりの母体へと発展する可能性を持つものだ。国民のパワーをさらに強く高く広く発揮するときである。
(2025年2月12日)
※写真-憲法裁判所で発言する尹錫悦