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尹錫悦ついに逮捕、内乱勢力を徹底して清算しよう!
尹錫悦ついに逮捕
独立捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」は1月19日未明、内乱罪を首謀した疑いで拘束中の尹錫悦(ユン・ソンニョル)を逮捕した。同機関が請求していた逮捕状をソウル西部地裁が発付した。現職大統領の逮捕は憲政史上初めて。昨年12月3日に非常戒厳令を宣布してから47日での逮捕となった。地裁は「証拠隠滅の懸念がある」とし、逮捕状を発付した。
尹錫悦は逮捕状発付の是非を判断する令状審査に自ら出席し、閣僚に対する相次ぐ弾劾などで事実上の国家非常事態にあったため、非常戒厳を宣言するしかなかったほか、秩序維持のため最小限の兵力を国会に送り込んだと主張したが、地裁は内乱容疑があると判断した。
さらに、逮捕状を請求した公捜処の主張通り、尹錫悦が非常戒厳を前後して携帯電話を替えるとともに、通信アプリ「テレグラム」を退会したことなどから、証拠隠滅の懸念があると判断したものだ。
逮捕状の発布に対し、与党「国民の力」は「残念」と批判し、第一野党「共に民主党」は「常識的な裁判所の判断」と評価した。「尹錫悦即刻退陣・社会大改革 非常行動(非常行動)」は拘束時(15日)に歓迎する声明(別掲)を出した。
尹錫悦支持者、地裁に乱入し破壊行為
尹錫悦が19日未明に逮捕されると、尹錫悦の支持者が逮捕状を発付したソウル西部地裁に乱入し破壊行為に及んだ。警察は約1400人を投入して制圧し45人を現行犯逮捕。前日に裁判所の塀を越えて侵入した40人を合わせ85人が拘束された。
尹錫悦は弁護団を通じて拘置所から出したメッセージで「激怒する心情は十分に理解できるが、平和的な方法で意思表示をしてほしい」と訴えた。警察に対しては、強硬的な対応でなく寛容的な姿勢で円満に事態を解決してほしいと求めたという。
参与連帯、民弁、民主労総、韓国労総などは尹錫悦の逮捕を歓迎すると同時に、支持者の暴動に対し厳重な処罰を要求。非常行動は「法治主義を否定する暴動を厳正に処罰しろ」と主張した。
尹錫悦、逮捕後も取り調べ拒否
公捜処は20日、取り調べに応じていない尹錫悦を強制的に連行しようとしたが、尹錫悦の拒否で実現しなかった。15日に拘束された尹錫悦は15日に取り調べを受けたが、16、17日の出頭要請に応じず、逮捕後の19、20日の出頭も拒否し、取り調べに応じない姿勢を続けている。尹錫悦の勾留期限は28日。
内乱勢力を清算しよう
非常戒厳令を宣布し内乱を引き起こした首謀者・尹錫悦がついに逮捕された。だが、尹錫悦は憲政(憲法)秩序を破壊した重大犯罪を反省するどころか、「戒厳宣言は憲法秩序を守るとともに、国を正常化するという目的。それが伝わっていない」と強弁した上で、「時間がかかっても諦めずに戒厳宣言の目的と正当性を明らかにする」と開き直りながら、取り調べを拒否し続けている。違憲・違法行為をはたらき法治を踏みにじる者に憲法秩序を云々する資格はない。
こうした尹錫悦のごう慢で頑強な姿勢と内乱勢力、特に与党「国民の力」の尹錫悦擁護が、尹錫悦の支持者を結集、扇動し、法治主義の最後の砦とされる裁判所に対する暴動の起因となったと言っても過言ではない。内乱勢力は自らが内乱勢力であることをますます露呈している。
国民主権と憲政秩序を回復し、民主化を後退させずさらに進展させるためにも、尹錫悦を首謀者とする内乱勢力を徹底して清算しなければならない。
(2025年1月21日)
※写真-公捜処での調査を終え、ソウル拘置所に移動する尹錫悦