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尹大統領支持率10%台…「退陣国民投票」「退陣総決起」「民主党街頭大会」、汎国民的退陣闘争へ
【2024年11月8日】
尹大統領、就任直前に与党公認候補選びに介入
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が2022年6月の国会議員補欠選を巡り、与党「国民の力」の公認候補選びに不当介入した証拠とする通話の音声ファイルを、第一野党「共に民主党」が公開したことに関連し、大統領室のチョン・ジンソク秘書室長が11月1日、尹大統領の関与を否定した。これを受け、共に民主党のハン・ミンス報道担当は記者会見で「無責任なごまかし」などと非難した。
同党は前日、国会で緊急記者会見を開き、尹大統領が就任前日の2022年5月9日に政治ブローカーとされるミョン・テギュン氏と交わした通話内容を公開した。
会見でハン氏は尹大統領夫人の金建希(キム・ゴニ)氏が国政に介入し、尹大統領が就任前に与党の公認候補選びを指揮するなど、憲政を踏みにじったことが明らかであるにもかかわらず、国民を欺こうとしていると非難。大統領室が根拠のない答弁を繰り返すのであれば、国民の怒りが爆発するだろうと指摘した。
与党代表、尹大統領に国民への謝罪要求
国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は11月4日、尹大統領に対して国民への謝罪と大統領室関係者の交代、内閣改造を求めるとともに、金建希氏の対外活動の即時中止、大統領夫人や親族らの不正を調べる特別監察官の任命を要求した。
一方、尹大統領は同日、2025年度政府予算案の施政方針演説で「年金・医療・労働・教育」の4大改革と少子化問題解決への意欲を改めて示した。就任後最低を更新した支持率(後記)や、金建希氏を巡る問題など政治的懸案に対する言及はなく、事実上、韓代表の要求は考慮されていない。
尹大統領は2022年と昨年は自ら施政方針演説を行ったが、今年は国会を訪れず、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が演説文を代読した。野党は大統領の欠席を厳しく批判した。
尹大統領が7日に国民向け談話を発表し、記者会見を開くことが4日分かった。
尹大統領支持率、ついに10%台へ
世論調査会社の韓国ギャラップは10月29~31日に実施した調査結果を11月1日に発表した。尹大統領の支持率は前回調査(22~24日)より1ポイント下落した19%。支持率19%は就任後最低。不支持率は2ポイント上昇した72%で就任後最高となった。
尹大統領を支持する理由は「外交」(33%)、「医学部定員の拡大」(8%)、「全般的によくやっている」(6%)などの順だった。支持しない理由は「金建希夫人を巡る問題」(17%)、「経済・国民生活・物価」(14%)、「全般的にうまくできていない」「コミュニケーション不足」(いずれも7%)などと続いた。
ギャラップによると、回答者の多くは「尹大統領がきちんとやっていない」と評価した。これまで尹大統領を高く評価していた与党「国民の力」支持層でも支持と不支持がいずれも44%で並んだ。
文化日報が11月1日に発表した調査結果によると、尹大統領の支持率は17%、不支持率は78%。
世論調査会社のリアルメーターが4日に発表した調査結果によると、尹大統領の支持率は22.4%で同社の調査で就任後最低値、不支持率も74.2%で就任後最高値となった。
野党・市民社会団体、反尹共闘
自主統一平和連帯、韓日歴史正義平和行動などの市民社会団体と共に民主党、祖国革新党、進歩党の3野党は、25回目となる「独島の日」を迎えた10月25日、国会で共同記者会見を開催。「露骨に独島強奪をたくらみ、大韓民国の領土主権と歴史正義をき損する日本との軍事協力を強化する尹錫悦政権を糾弾する」と声をあげた。
26日には、進歩党、基本所得党、社会民主党の進歩系3野党と市民社会団体が初めて「国政ろう断 不敗・不正 金建希審判」共同集会をソウル市庁駅前で開催。集会には、院外政党と共に民主党、祖国革新党の議員も有志で参加した。参加者は「野党が団結しなければならない時だ。加えて、(大統領が拒否権行使した法案の再議決を念頭に)良心が残る『国民の力』議員が少なくとも8人が団結すべきだ。今日がその始まりとなる」と強調した。
尹錫悦退陣国民投票、全国に拡大
尹錫悦退陣国民投票推進本部が10月8日、国民投票突入記者会見を開いたのを皮切りに、ソウル、京畿、大田、慶南、蔚山、釜山、忠南など全国各地域で、また民主労総、全農、宗教界など各団体が突入記者会見を開催。現場に投票所を設置し投票を訴えている。
マート労組は全国700の大型マートに投票所を設置し、組合員と顧客に投票を呼び掛けている。宅配労組と全教組、鉄道労組なども投票キャンペーンに注力中だ。青年たちも全国で尹錫悦退陣国民投票に突入している。23日には進歩党が尹錫悦退陣国民投票に突入し、全国巡回を始めた。
国民投票は11月4日現在、オンライン集計だけで17万人をこえ、9日までに20万人をこえると予想される。
尹錫悦政権退陣運動本部は投票運動と共に、11月9、20日の退陣総決起の準備にも拍車をかけており、5日には記者会見を開き総決起への結集を訴えた。
民主党のソウル街頭大会、30万人結集
共に民主党が11月2日、ソウル駅一帯で主催した「金建希-尹錫悦 国政ろう断糾弾 特検要求 国民行動の日」汎国民大会には30万人(民主党推算)が結集した。参加者らは「金建希を特検で捜査しろ」とのプラカードを掲げ、「金建希-尹錫悦の国政ろう断を国民が審判する」と声をあげた。
李在明代表は「不義の反国民的権力をわれわれの手で確実に審判しよう」と訴え、本格的な対政府闘争を始めると明らかにした。民主党は党内に「金建希-尹錫悦 国政ろう断糾弾 特検要求 国民行動本部」を設置し、「金建希特検法通過などのための一千万人署名運動」を通じた汎国民運動をこの日から開始した。
一方、祖国革新党のチョ・グク代表が大邱で初の弾劾集会を開催した。チョ代表は「(保守地盤の)大邱・慶尚北道の住民でさえ、尹錫悦大統領と金建希夫人を保守の恥だと考えている」と訴えた。
政権危機脱出ねらい公安弾圧
ソウル警察庁などは10月22日、進歩系インターネットメディア「自主時報」の代表と記者を国家保安法容疑で家宅捜索した。自主時報は翌日、ソウル警察庁前で抗議の記者会見を開催した。
国家捜査本部は10月26日、キャンドル勝利転換行動(キャンドル行動)の会員管理プログラム業者を家宅捜索し、6300余人の会員情報と後援金総額を確保するなど、本格捜査に乗り出した。キャンドル行動は翌日、ソウル警察庁前で記者会見を開催し、「政権危機から脱出するための公安弾圧」と糾弾した。
30日には、韓国進歩連帯のハン・チュンモク常任共同代表および同事務所などに対し国家保安法違反容疑で家宅捜索が行われた。進歩連帯などは翌日、ソウル警察庁前で記者会見を開催し、公安弾圧と家宅捜索を糾弾した。
汎国民的退陣闘争へ
「疑惑の宝庫」の尹大統領と金夫人、今度は選挙の公認候補選びに介入した疑惑が発覚した。しかし、音声ファイルの証拠を突きつけられても、認めずやり過ごそうとする大統領夫妻とこれを擁護するばかりの大統領室。尹大統領は与党代表の進言にも耳を貸そうとせず、独善と専横の姿勢に変化はない。憲政を踏みにじる行為に国民の怒りは爆発寸前で、当然、大統領の支持率は低下し、ついに10%台となった。全地域、全世代が不支持であり、保守志向の支持者離れも顕著。
退陣運動本部などが推進する国民投票に加えて、民主党も街頭闘争に進出し署名運動を開始。大会への30万人結集は政権出帆以後、最大規模の反政府示威行動であり、大会名称は特検要求だが参加者の要求は尹大統領の弾劾・退陣だ。院内外にまたがる反尹闘争が広がりを見せている。
尹政権は政権危機を脱出するために、常套手段の公安弾圧に乗り出した。特に、尹大統領弾劾と金建希特検を求めて毎週土曜日にキャンドル集会を開催するキャンドル行動と、尹大統領退陣運動の中心である韓国進歩連帯を標的にした。高揚する尹大統領弾劾・退陣要求に神経をとがらせていることの証左。
院内外を問わず各闘争陣営が一つに束ねられて汎国民戦線となり、汎国民戦線が主導する汎国民的退陣闘争が全国的に発展しながら、尹大統領を退陣へと追い詰めていくだろう。
※写真-「共に民主党」主催の汎国民大会で尹政権を糾弾する参加者たち