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韓米合同軍事演習「UFS」実施…軍事演習・軍事同盟に断固反対する!

【2024年8月23日】

韓国軍合同参謀本部と韓米連合軍司令部は8月12日、共同記者会見を行い、朝鮮半島有事を想定した定例の合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド(UFS)」を19日から29日まで実施すると発表した。

合同参謀本部によると、今年の演習は地上・海上・空中での機動・射撃など野外機動訓練を拡大する。野外機動訓練は計48回で昨年に比べ10回多い。旅団級の大規模訓練は4回から17回と4倍以上に増える。

同本部は「北朝鮮(※正しくは朝鮮、以下同じ)の大量破壊兵器への対応や地上・海上・空中・サイバー・宇宙などのさまざまな資産を活用した多領域作戦を実施し、いかなる挑発にも対応できる韓米同盟の能力と態勢を一層強化する」と表明。

軍事演習と連動し、韓国政府が初めて北朝鮮の核の使用を想定した国民保護訓練を実施する。同本部は、今回の軍事訓練部分は「北朝鮮の大量破壊兵器による攻撃への対処」に重きを置くと説明する一方、演習の軍事訓練で北朝鮮の核攻撃を想定したものは実施されないという。

演習には在韓国連軍司令部の加盟国が例年より多く参加し、中立国監視委員会が朝鮮戦争停戦協定の順守を確認する。

北朝鮮は同演習を「北侵戦争演習」と主張し、強く反発している。

韓・米・日の合同軍事演習と軍事同盟に断固反対する

UFSでは北の核攻撃を想定した政府訓練を初実施するとし、軍事訓練では実施しないとしている。しかし、軍事訓練では「北の大量兵器による攻撃への対処」に重点を置くとする。朝鮮の「大量破壊兵器」が核兵器を指すことを念頭に置けば、UFSが核演習の導入へと段階的に進みつつあることは明らかである。韓米首脳は両国の核協議グループが取りまとめた「核作戦指針」を7月、ワシントンで追認した。

UFSには在韓国連軍司令部の加盟国も積極参加し、同司令部の再活性化も顕著だ。さらには「フリーダムエッジ」から本格的に始まった韓米日合同軍事演習も今後、質量ともに強化しながら定例化される計画で、実質的な韓米日軍事同盟の構築に拍車をかけている。韓米日国防担当相は7月、東京で「3カ国安保協力フレームワーク」についての「協力覚書」に署名した。3カ国首脳はキャンプデービッド会談から一年となる18日、共同声明を通じて、こうした点に触れながら「今後も強固な協力を維持する」と表明した。

朝鮮半島にとどまらず東アジアからインド太平洋、さらには地球規模で米国主導の多国籍軍が構成されようとする中、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は前のめりともいえる対米追従姿勢で先兵的役割を引き受けている。しかし、それは朝中ロとの対決を一層強めることになり、朝鮮半島に戦争の危機をもたらすだけだ。韓・米・日の合同軍事演習と軍事同盟に断固反対する。

※写真-「朝鮮半島平和行動」が大統領室庁舎前で軍事演習に抗議し記者会見