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情勢解説

<韓米同盟強化・韓米日軍事同盟化+国連軍司令部「再活性化」>に断固反対…国連軍司令部は解体しろ!

【2023年11月24日】

韓米定例安保協議(SCM)開催

韓国と米国は11月13日、ソウルで定例安保協議(SCM)を開催し、北朝鮮(※正しくは朝鮮、以下同じ)の核・大量破壊兵器の脅威抑止を目的に国防相間で交わす戦略文書「オーダーメード型抑止戦略(TDS)」を10年ぶりに改定した。

申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官とオースティン国防長官が新たなTDSに署名した。TDSは2013年のSCM開催を機に初めて作成された。新たなTDSは北朝鮮が核・大量破壊兵器を使用する可能性に備え、米国の核能力を含め韓米同盟のあらゆる能力を活用する方策を盛り込んだとされる。韓米首脳は今年4月に発表した「ワシントン宣言」で拡大抑止の強化に合意しており、これを受け情報共有や企画、実行など、拡大抑止の戦略的な方向性が反映された。韓国政府筋は「従来の拡大抑止が米国の核戦力に依存していたとすれば、(今後は)ワシントン宣言で合意した両国の協議体『核協議グループ(NCG)』を通じ、米国の核作戦に対する韓国側の通常戦力支援に向けた共同企画と実行が実現することになる」と説明した。

韓米の両長官はSCM後に発表した共同声明で、NCGが北朝鮮の核使用に備えた韓米同盟の実効的な対応策づくりを行っていると強調した。共同声明では、高度化した北朝鮮のミサイル脅威に備え、米国の早期警戒衛星の情報共有システムを通じて同盟の探知能力を強化していくことで合意したとも明らかにした。

「韓米同盟国防ビジョン」4年ぶり発表

韓国と米国は13日、定例安保協議を機に、4年ぶりとなる「韓米同盟国防ビジョン」を発表した。韓国国防部が同日、申長官とオースティン長官名義で発表したSCMの共同声明とは別にメディアに配布した国防ビジョンで、韓米は「同盟は変化する安全保障環境を踏まえ、われわれの最も根本的で差し迫った脅威である北に対応すると同時に、地域と世界の安保に寄与する未来志向的体制を整えなければならない」と強調した。

今回の国防ビジョンでは「北を含む域内の敵対的行為者の戦略的攻撃と侵略を抑止することが重要だ」として、「韓米同盟は北に対する抑止力の完全性を向上させるため、有事の際に米国の核作戦に対する韓国の従来型の支援を共同で企画し、実行できるよう努力する」と明記し、北朝鮮の脅威を改めて強調した。

韓米日国防・防衛相会談

申長官とオースティン長官、木原稔防衛相は12日にテレビ会談を行い、年内に複数年にわたる共同訓練計画を策定し、来年1月からより体系的かつ効率的に3カ国訓練を実施することで合意した。三氏は北朝鮮のミサイル情報の即時共有に向けた準備が最終段階に入っているとして、12月にシステムを開始することで一致した。3カ国は昨年11月に開かれた首脳会談で、北朝鮮ミサイル情報の即時共有で合意していた。

韓国・国連軍司令部加盟国が初会議

韓国と国連軍司令部加盟の17カ国の国防相や代表による初めての会議が14日、ソウルで開催され、申長官とオースティン長官をはじめとする加盟各国の代表が出席した。国連軍司令部の加盟国は朝鮮戦争に戦闘兵を派遣した米国、英国、カナダ、トルコ、オーストラリア、フィリピン、タイ、オランダ、コロンビア、ギリシャ、ニュージーランド、ベルギー、フランス、南アフリカの14カ国と、医療支援団を送ったノルウェー、デンマーク、イタリアの3カ国。

国連軍司令部は1950年6月25日の朝鮮戦争勃発に伴い国連決議により結成され、53年7月27日の停戦協定締結以降も同協定の管理と有事における韓米連合軍司令部の戦力の支援任務を担っている。在韓米軍司令官兼韓米連合軍司令官が国連軍司令官を兼務している。

会議では共同声明を採択し、「国連の原則に反し、朝鮮半島で韓国の安全保障を脅かす敵対行為や武力攻撃が再開される場合、共同で対応する」と明言した。声明には、現在の安全保障脅威に対処するため韓米同盟と国連軍司令部構成国の共同演習と訓練を活性化し、相互交流と協力を継続して強化していくとの内容が盛り込まれた。また、「約70年間、国連軍司令部は朝鮮半島で戦争を抑止することに効果的に寄与してきた」として、「(朝鮮戦争の)停戦協定は朝鮮半島で敵対行為を中断し、これを維持するための効果的な手段」と強調した。

 韓国国防部は会議を定例化する方針であり、国連軍司令部との協力強化のため、韓国軍将校の同司令部参謀部への派遣についても協議している。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は同会議に祝電を寄せ、国連軍司令部を「韓国を防衛する強力な力の源泉」とし、国連軍司令部が朝鮮戦争停戦協定の履行だけでなく、有事の際は国連安全保障理事会による別途の決議がなくても友好国の戦力を統合して韓米連合軍に提供するとしながら、朝鮮半島の自由と平和維持における役割を評価した。

一方、朝鮮外務省の軍縮・平和研究所は13日、同会議について「第二の朝鮮戦争を挑発するための実際的な条件づくりに着手したことを如実に示す」として、「新たな侵略戦争を挑発しようとする試み」と主張した。朝鮮中央通信が伝えた。また、「数十年前に解体すべきだった国連軍司令部は今日、米国主導の多国籍戦争の道具として復活している」として、国連軍司令部の解体を求めた。

国連軍司令部「再活性化」=米国主導多国籍軍の実動化

米国は朝鮮のいわゆる「核・ミサイルの高度化」に対応する「抑止力」を確立するためとして、韓米日3カ国間でミサイル情報を即時共有する態勢と、あわせて米軍の核兵器を使用する作戦に韓国の通常兵器を有効に活用する態勢を整備し完成させることを急務としている。そのために韓米同盟の強化と韓米日3カ国軍事同盟化が進んでいる。改定されたテーラーメード型抑止戦略・韓米同盟国防ビジョンにはその方向性が示されている。

一方で、米国はすでに役目を終えているはずの(朝鮮)国連軍司令部(※国連憲章第7章「平和に対する脅威に際して軍事的強制措置をとることができる」に基づき安保理が指揮する「国連軍」ではない)の機能を朝鮮戦争時のように復活させ、米国主導の多国籍軍へと生まれ変わらせ実動化させる、いわゆる「再活性化」を計画している。今回初めて開かれた韓国と国連軍司令部加盟の17カ国の国防相や代表による会議はそのためのものだ。再活性化された司令部はまずは朝鮮を対象にしながらも、その軍事行動領域は朝鮮半島から東アジア、さらにはインド太平洋までをカバーし、もう一つの北大西洋条約機構(NATO)となることが想定される。そして、米国は韓米日3カ国でその中心部隊を担うことを構想しており、そのために韓国と日本を国連軍司令部に加盟させることが課題として浮上している。「韓国軍将校の司令部参謀部への派遣」検討はその布石であり、日本の場合は、横田飛行場に国連軍後方司令部が所在し、国連軍地位協定に基づき国連軍司令部が在日米軍基地を使用できることなどから、国連軍司令部と地理的・軍事的関係が強いことを理由にあげるものと推測される。

(事実上の)韓米日3カ国軍事同盟にとどまらず米国主導の多国籍軍が「国連」の名前を利用しながら、朝鮮半島を蹂躙し戦争の危機を地域を拡大して醸成しようとしている。国連軍司令部の再活性化に断固反対すると共に、同司令部の解体を強く要求する。