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情勢解説

海上演習に続いて韓米日合同空中訓練…朝鮮半島の戦争の危機を煽る「実質的な3カ国軍事同盟の構築」に断固反対する!

【2023年11月13日】

韓米日合同空中訓練、初めて実施

韓国と米国、日本が10月22日、朝鮮半島付近の上空で初めて合同空中訓練を実施した。

この日の訓練は米戦略爆撃機B52Hを米軍のF16戦闘機、韓国軍のF15K戦闘機、航空自衛隊のF2戦闘機が護衛し編隊飛行する方式で行われた。

韓国空軍によれば訓練の実施場所は朝鮮半島南方の上空で、韓日両国の防空識別圏(ADIZ)が重なる空域が選ばれた。

韓国と米国、米国と日本はそれぞれ朝鮮半島や朝鮮半島付近の上空で合同訓練を数多く行ってきたが、韓米日3カ国が合同空中訓練を実施したことはなかった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、文在寅(ムン・ジェイン)前政権が事実上中止した韓米日の合同海上訓練を再開したのに続き、合同空中訓練の実施にも踏み切った。

今回の合同訓練は核兵器の搭載が可能なB52Hが朝鮮半島に展開されたことを機に実施された。同機は17日に京畿道・城南のソウル空港(軍用空港)で開幕した韓国最大の航空宇宙・防衛産業展示会「ソウルADEX2023」の開会式で祝賀飛行を行った後、韓国空軍と共に合同訓練を実施し、中部・清州の空軍基地に着陸した。B52Hはこれまでも朝鮮半島に飛来し、韓国軍と何度も合同訓練を実施しているが、韓国の空軍基地に着陸するのは初めてだった。在韓米軍は19日、同基地に着陸したB52Hをメディアに公開している。

B52Hの韓国基地への初着陸は、韓米国防当局が北朝鮮(※正しくは朝鮮)の核に対する拡大抑止の実行力強化の一環として、米国の戦略資産を常時配備に準ずる高い頻度で運用するとの合意に基づいて実施された。また韓米日による朝鮮半島付近の上空での初の合同空中訓練は、8月に3カ国首脳が米大統領山荘キャンプデービッドで開いた会談での合意に基づく。3首脳は合同訓練を含む3カ国の安保協力を強化することで一致している。

朝鮮、米戦略爆撃機の飛来に反発・警告

朝鮮中央通信は20日、核兵器搭載が可能なB52Hが韓国に初めて着陸したことなどについて、「米国は朝鮮半島が法律的に戦争状態にあり、敵側の地域に入る戦略資産が最初の消滅対象になることを知らないはずがない」と警告し、「米国と『大韓民国』がわが共和国に核戦争挑発をしてきた以上、われわれの選択もそれに相応する」と主張した。

「実質的な韓米日軍事同盟の構築」に断固反対

韓米日の合同海上演習はすでに何回も実施されているが(※前号の関連記事参照)、加えて米戦略爆撃機が参加する韓米日の合同空中訓練まで行われるに至り、朝鮮半島では朝鮮の強い反発を招きながら、いたずらに軍事緊張を高めている。

海上、空中と進めば残るは地上での合同軍事演習。昨年2月の第2回大統領選挙候補者テレビ討論会で、正義党のシム・サンジョン候補の韓米日同盟に関連した質問に対し、尹錫悦候補が有事に日本の自衛隊が朝鮮半島に進入する可能性を示唆する発言をしたことを想起せざるを得ない。

「韓米日軍事協力の強化」からなし崩し的に進展する「実質的な韓米日軍事同盟の構築」に断固反対する。