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存在理由ない「国民の力」革新委、尹大統領の変わらぬ独善・専横…「11・11総決起」成功させよう!

【2023年11月13日】

尹大統領「国民は常に正しい」発言

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は10月18日、側近らとの会議で「国民は常に無条件で正しい」とした上で、「いかなる批判や言い訳もしてはならない」と述べた。「龍山(の大統領室)秘書室長から首席秘書官、秘書官、行政官まで、参謀全員が机にだけかじりつくのではなく、国民生活の現場に入り込んで生の声を直接聞くように」と指示し、「わたしから先に困っている国民の生活の現場に入り込む」と約束した。大統領室の金恩慧(キム・ウネ)広報首席秘書官が伝えた。

大統領室高官は、「国民は常に無条件で正しい」という尹大統領の発言が、11日に実施されたソウル市江西区長補欠選挙で与党「国民の力」候補が第一野党「共に民主党」候補に大敗したことと関連があるかについて、「政治において『民心は天意であり、国民は王だ』と常に心に刻み、敬う地点がある。ここから大きく外れていないと考えてもらえれば」と答えた。

「国民の力」革新委が発足

国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)代表は27日、江西区長選の結果を受け、来年4月の総選挙を見据えて党の刷新を図るために、革新委員会を発足させた。革新委は印曜翰(イン・ヨハン)延世大医学部教授を委員長に、計13人で構成された。活動期間は12月24日までの60日間。

革新委は11月2日、党内の結束に向けた「赦免」措置を打ち出した。李俊錫(イ・ジュンソク)前代表と洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長に対する党員資格停止処分を取り消し、両氏は党員資格を回復した。3日には、党の執行部や重鎮、尹大統領に近い議員に対し、総選挙に出馬しないか激戦地の首都圏から立候補するよう求めた。

李在明代表、内閣総辞職を要求

共に民主党の李在明(イジェミョン)代表が10月23日、党務に復帰。李氏は同日に開かれた党最高委員会議で、「残念ながら政府と与党の無能と無責任により国民生活、国の経済と安全保障が脅かされている」と指摘。「尹大統領は国政基調を全面的に刷新しなければならない」として、「無能と暴力の象徴になってしまった内閣を総辞職させるべきだ」と強調した。また、「政権の暴圧で韓国のシステムが崩壊し、過去に逆行することを防ぐためには、必ず総選挙で政権の誤りを厳しく問う審判が下されるべきだ」と述べた。

同党のクォン・チルスン首席報道担当は11月4日、国会でブリーフィングを通じ「国民の力が印曜翰革新委を発足させた背景は、国民が尹大統領の独善的な国政運営を厳しく審判したため」であり、「革新委は大統領に国政基調の転換を要求し、垂直的な政府と与党の関係を解消することが革新の本質的な目標であるべきなのに、印委員長は大統領と党代表の仕事に関与することは適切ではないとするなど、民意の要求に知らないふりをしている」と批判した。

両党、総選挙態勢確立へ

6日、国民の力は総選挙の対策などを総括する「企画団」を発足させた。共に民主党も総選挙の対策を担う「総選挙企画団」が国会で初会合し、総選挙の計画作りに着手した。他の野党も含めて、総選挙に向けた態勢の確立を本格化させている。

革新委、革新不可能…「大統領が王」…「11・11総決起」成功させよう!

江西区長補欠選挙の大敗を受けて国民の力は、党の態勢を立て直し、来年の総選挙に備えようと革新委員会を発足させた。だが党内から委員長を出すことができず、ようやく決定した人物も「健康保険は社会主義」と発言するなどの新自由主義的思考の医大教授。委員構成も親尹系が多数を占め非尹系は含まれなかった。革新委が革新すべき核心は「尹大統領による与党の私物化」。大統領に進言・直言できない革新委では存在理由がなく、革新は不可能と自覚すべきだ。

尹大統領は「国民は常に無条件で正しい」とし、「現場に出て国民の生の声を聞かなければならない」と強調した。さらに大統領室高官は「民心は天意であり、国民は王だ」と言及した。尹大統領は梨泰院惨事1周忌の追悼大会には理由にならない理由をつけて出席せず、一方で朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の追悼式には総選挙における保守票の結集を意識して参加した。尹大統領にとっては、遺家族をはじめ追悼大会に集まった参加者は「国民」ではなく、そして「国民は王」ではなく「大統領が王」なのだろう。「尹大統領=王」の独善と専横の姿勢には何ら変化はない。

11月11日にソウルで「尹錫悦政権退陣総決起 退陣の広場を開こう!」が20万人規模で開催される。進歩民衆陣営の総結集で総決起を大成功させ、尹政権退陣の大きなうねりをつくり出さなければならない。