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情勢解説

激化する尹政権の労働弾圧…民主労総・300余団体共同行動、尹政権と全面対決

【2023年6月2日】

尹大統領、労働弾圧を公言 

建設労組を中心に民主労総は5月16~17日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の労働弾圧に焼身抗議したヤン・フェドン烈士(建設労組幹部)の遺志を継いで1泊2日の大規模集会を開催、尹政権糾弾の声をあげた。

ところが尹大統領は23日の閣議で、この集会のためソウル都心の交通がまひしたと指摘し、「国民の自由と基本権を侵害し公共の秩序を崩壊させた民主労総の集会の形態は、国民にとって容認しがたい」と批判した。「わが政権はいかなる違法行為も放置、容認しない」と表明し、違法行為に対する警察などの厳正な法の執行を指示した。

与党「国民の力」と政府関係部署の長官らは24日、国会で前日の尹大統領の発言を受けて対策を協議し、△民主労総などが「不法集会」を開催する状況が把握されれば、申告段階から集会・示威を制限する△深夜に集会を開催できないよう法改正を進める△公権力を行使する警察官に不利益が生じないようにする(※例えば、強制鎮圧により被害者が生じ警察官が処罰されるようなケースを想定)ことを明らかにし、「集会および示威に関する法律(集示法)」の改定を進めるとした。

共同行動結成、弾圧反対に立ち上がる

李在明(イ・ジェミョン)「共に民主党」代表は集示法改定に対し「国民の口をふさごうとしても失政は隠せない」と批判。民主労総は「1泊2日の集会をやり玉にあげて集会と示威を制限しようとするものだ」と糾弾した。

25日には、民主労総を含む300余団体が結集した「ヤン・フェドン烈士闘争 労働市民社会宗教団体 共同行動」の出帆記者会見がソウル大病院前で行われた。共同行動は△ヤン・フェドン烈士の名誉回復と遺族への謝罪△建設労組弾圧中止△元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官と尹煕根(ユン・ヒグン)警察庁長の罷免△朝鮮日報の歪曲報道中止と謝罪を要求した。朝鮮日報はヤン・フェドン烈士の焼身抗議を同僚がほう助したと歪曲報道、月刊朝鮮はヤン・フェドン烈士の遺書は代筆だと虚偽報道し、厳しく批判されていた。また毎水土曜日にソウル都心でキャンドル集会を開催するとし、6月10日に全国各地での大規模なキャンドル集会を予告した。

労働・公安弾圧を繰り広げる尹錫悦検察独裁は退陣しろ

尹政権の労働弾圧はとどまるところを知らない。民主労総の1泊2日の集会を取りあげて「国民の自由と基本権を侵害し公共の秩序を崩壊させた」不法集会と一方的に断じ、取り締まりの名の下に弾圧に乗り出しただけでなく、憲法で保障された「集会の自由」に全面的に反する集示法の改悪まで進めようとしている。

公安弾圧も昨年秋から長々と続いている。23日には国情院など公安当局が、進歩党の前共同代表と全教組江原支部長に対し国家保安法違反容疑で無差別の家宅捜索を繰り広げ、国家保安法廃止国民行動と公安弾圧阻止対策委は24日、警察庁前で糾弾の記者会見を開いた。朝鮮日報は「スパイ事件」と煽る記事を掲載した。

反対勢力を法の名の下に弾圧し一掃しようとする尹錫悦検察独裁。そして法は恣意的に解釈され時には改悪まで企図される。民主主義を破壊する尹政権は退陣しなければならない。