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尹美香議員、一審で事実上の無罪判決…検察の無理な起訴が破たん、李在明代表は謝罪

【2023年2月20日】

旧日本軍の「慰安婦」被害者を支援する韓国の市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」への寄付金を私的に流用したとして、業務上横領罪などの罪に問われた同団体前理事長の尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員(無所属)の判決公判が1月10日、ソウル西部地裁であった。地裁は罰金1500万ウォン(約156万円)の判決を言い渡した。2年5カ月にわたる裁判で、検察は尹議員に八つの容疑を適用して懲役5年を求刑したが、七つの容疑がすべて無罪となり、1億ウォン(約1040万円)以上の横領容疑も1700万ウォン(約177万円)だけが有罪と認定された。

尹議員室は「2011年からの寄付金は約1億ウォンに達し、2014年から2019年まで国税庁に申告した寄付金だけでも約3600万ウォン(約374万円)に該当し、検察が横領だと起訴した金額を超過する」と反論。尹議員は「横領した事実はないと重ねて強調する。控訴審で誠実に立証する」と明らかにした。

一方、自身も検察の調査を受けている李在明(イ・ジェミョン)「共に民主党」代表は11日、フェイスブックに「人生を丸ごと否定され、悪魔にされた彼女はどれだけ悔しかっただろうか」「検察とフェイクニュースにより同様の状況にあるわたしでさえ疑った…申し訳ない。間違っていた。気持ちを再度引き締めます」と書き込んだ。共に民主党の比例代表として当選した尹議員は、検察発のフェイクニュースの勢いが増すなか、同党と同党議員からの支援もなく無所属へと追い込まれた。李代表のメッセージはこれを念頭にしたものだ。

判決にもっとも素早い反応を示したのは日本の「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動」。同団体は10日の声明で「本日の判決を通じて、検察の起訴がどれほど無理なものであったか再び浮き彫りにした」とし、「事実上の無罪判決」であり、「控訴審でより公正な判断がなされるようのぞむ」と強調した。

尹議員の一審判決では、検察の政治的意図を持った無理な起訴が破たんしたことが明らかになった。しかし、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の登場以後、検察は政権の手足となって動く政治検察となり、検察権力はさらに強化されている。検察の横暴を許してはならず、検察独裁・尹政権を厳しく糾弾しなければならない。