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日本政府が安保3文書改定、「敵基地攻撃能力」明記…韓国政府、「協議可能」と理解
【2022年12月21日】
日本政府は12月16日、国家安全保障会議(NSC)と臨時閣議を開き、外交・安全保障の基本方針となる「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の3文書を改定した。敵のミサイル基地をたたく「反撃能力」(敵基地攻撃能力)保有を明記、能力行使のために米国製巡航ミサイル「トマホーク」の配備を打ち出した。また、2027年度に軍事費とその関連予算を合わせ現在の国内総生産(GDP)の2%にすると明示、軍事費は2023~2027年度の5年間で総額43兆円、大増額の方針を決めた。中国と朝鮮を「仮想敵国」として警戒、これまでの「専守防衛」の安保政策を大転換した。
安全保障関連3文書の改定に対し、バイデン米大統領は16日、「地域の平和と繁栄への日本の貢献を歓迎する」とツイート、中国外務省の汪文斌副報道局長は「中国の脅威を軍拡の言い訳にしている」と強く反発。朝鮮外務省も20日、「侵略路線の公式化」と反発した。
3文書では、「反撃能力」は2015年に成立が強行された安保法制で可能になった集団的自衛権の行使の際にも発動されることが明確になった。つまり、米国が始めた戦争で、日本は武力攻撃を受けていなくても、自衛隊が米軍を支援するため相手国領内に敵基地攻撃ができるようになる。また、敵基地攻撃は日本単独ではなく米日共同で行うとしており、日本が米国の軍事戦略に追従し、米軍指揮下で米日が一体となって敵基地攻撃を行うことになる。
さらに日本政府は、「日本が北朝鮮(※正しくは朝鮮)に反撃能力を行使する場合、韓国政府と協議するのか」との韓国メディアの質問に、「反撃能力の行使は日本の自衛権の行使であり、他国の許可を得るものではない。日本が自主的に判断する」と答えた。自衛隊の韓国進入を当然視し韓国の主権を否定する問題発言だが、韓国政府は「韓米日安保協力の大きな枠のなかで、論議可能な内容」と受け止め、「日本政府は自国防衛のための悩みが深いのでは」と日本を理解する姿勢まで示した。日本政府は独島領有権の主張も文書に織り込んだ。
韓国政府は東アジアの安保環境を大転換する日本の危険な動向に対し、曖昧な姿勢を取ってはならない。厳しく批判すべきである。現在のように無条件に米国に追従し日本と協力する姿勢を維持、継続すれば、朝鮮半島と東アジアにおける戦争の危機をいままで以上に増大させながら、究極的には自らの自主性を失い米日の後ろを追い続けるだけとなるだろう。