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都内で関東大震災102年追悼行事開催…歴史の継承を訴え

【2025年12月08日】

「関東大震災ジェノサイドの記憶 赤く照らされた月は見ていた 102年目の『半月』」が12月8日、都内で開催された。主催は同実行委員会。

実行委員会から司会者が主催者あいさつ。「関東大震災当時、恐ろしい流言が飛び交い、多くの朝鮮人が虐殺された。現在で言うところのヘイトスピーチによるヘイトクライムであり、ジェノサイドだ」「現在の排外主義の広がり、高市首相の『存立危機事態』発言は、虐殺の歴史を否定してきたことが根底にある。今回の行事で過去には見えなかったものを、現在に照らしていきたい」と語った。ノンフィクション作家の加藤直樹氏があいさつした。

ソウル未来遺産「『尹克榮(ユン・クギョン)』の家」のオム・ヘジョン幹事が動画で連帯メッセージ。「つらい歴史の犠牲者を追悼し、よりよき未来を目指して努力する皆さんに感謝します」と述べた。朝鮮人留学生だった尹克榮氏は、震災当時に目の当たりにした虐殺の実態を証言しており、氏が制作した童謡「半月」は朝鮮半島、アジア諸国はじめ、世界中で愛唱されている。ドキュメンタリー映画「流れ行く 遠い道」(崔藝隣(チェ・イェリン)監督)を上映。毎年追悼行事を開催する一般社団法人「ほうせんか」の日々を描いた。

ほうせんかの慎民子(シン・ミンジャ)理事が講演。「現在、全国の自治体は虐殺の歴史を消し去ろうとしているが、残っているものもある。品川区では正確な記録が残されていた」として、品川における虐殺の実態を証言もまじえて解説。「毎年追悼行事を行っているが、ここまで広がったのは日本の人たちや、若者たちのおかげだ。関東大震災で起こったことは完全にジェノサイドであり、大事なのは、殺す側になるか、ならないか、ということだ」と強調した。

ラッパーのFUNI氏がラップ「102年目の半月」を披露した後、「トッケビプンムル(朝鮮半島の伝統打楽器演奏グループ)」が追悼のプンムルを披露。会場全体を巻き込み、大いに盛り上げた。

※写真-講演する慎民子理事