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尹大統領の暴言騒動…メディアへの責任転嫁に「言論弾圧」と内外で批判の声

【2022年10月7日】

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は9月21日(現地時間)、米ニューヨークで開かれた感染症対策のための資金調達について協議するバイデン米大統領主催の会合に出席し、朴振(パク・ジン)外相らと一緒に退場する途上で、「議会でこの野郎どもが承認してあげなかったら、バイデンが赤っ恥だ」と話した。この発言の場面は、МBCをはじめKBS、SBS、総合編成チャンネルなど大多数の国内メディアと海外主要メディアで報道された。

この暴言が大きな問題となる中、沈黙を続けていた大統領室は15時間ぶりに釈明し、該当報道は「歪曲、つぎはぎ」と主張。大統領秘書室は報道経緯の説明を求める公文をМBCに送った。尹大統領は帰国後の29日、最初のぶらさがり会見で「事実と異なる報道で(韓米)同盟関係を棄損した」と述べた。与党「国民の力」はこの流れに加勢し、27日に「偏向組織放送真相究明タスクフォース(TF)」を構成、28日にМBCを抗議訪問し報道関連者を検察に告発した。

一方、大統領室担当の映像記者団は26日、「該当報道にどのような歪曲もない」と主張し、JTBC・KBS・OBS・SBS・YTN放送5社記者協会は30日、「МBCへの攻撃は韓国のメディアの自由に対する威嚇」だと批判した。5社は「該当映像はМBCの単独取材ではなく、各社が共有し流通させたもの」と説明し、МBCへの標的攻撃を憂慮した。放送記者連合会、全国言論労組、韓国記者協会、韓国放送技術人連合会、韓国映像記者協会、韓国PD連合会などメディア関係の全国組織は27日、「与党の対応は言論弾圧だ」と批判し、国際記者連盟アジア太平洋支部は「メディアを脅迫し言論の自由を侵害するもの」と強調した。

こうした状況の中、第一野党「共に民主党」の朴省俊(パク・ソンジュン)報道担当は2日、記者会見で「アジアで『言論の自由』一位の韓国の位相が大統領と与党のために失墜している」とした上で、「言論弾圧を中止し国民の声に耳を傾け現状をただすべき」と指摘し、「大統領の率直な謝罪と外交惨事の責任者更迭が問題解決の始まり」と主張した。

尹大統領はメディア報道が虚偽だと主張し真相究明を求めている。外交惨事の責任を取るべきだとして、野党が国会に提出し通過させた外相解任決議も拒否した。真相究明をというなら、まずは大統領自身が問題とされている発言が何だったのかを明らかにすればよい。そして誤解と混乱を招いたことを謝罪することだ。メディアに責任を転嫁し政争を誘発することで状況を転換させようとしてはならない。大統領であっても過誤があれば謝罪すべきである。