情勢コーナー
米国主導で西側諸国が一斉に「朝鮮の非核化」を要求…対朝鮮敵視政策を撤廃しろ
韓国・EU、朝鮮の「非核化」要求…朝鮮「韓国はやはり敵国」
李在明(イ・ジェミョン)大統領は6月10日、ベルギー・ブリュッセルで欧州連合(EU)首脳らと会談し、共同声明を採択。首脳らは声明で、朝鮮の核・弾道ミサイル開発計画に対する深刻な懸念を表明し、核拡散防止条約(NPT)上の非核保有国としての義務などを守っていくよう求めた。とりわけ、朝鮮はNPT体制で核保有国として決して認められないとし、安保理決議の履行を改めて求めた。
これに関連して朝鮮外務省は13日、談話「韓国はやはり敵対と対決を体質化した不変の敵国である」で、韓国に対し、「わが国家に対する明白な主権侵害、重大な敵対行為であり、今まで口をすっぱくして唱えてきた『体制尊重』『敵対行為不追求』のような偽装看板を自ら投げ捨てた」と断じた。
韓米日、「朝鮮の非核化」要求…朝鮮「核保有国の地位は揺るがない」
韓米は11日、ソウルで拡大抑止などについて話し合う核協議グループ(NCG)の第6回会合を開催し、「北朝鮮(※正しくは朝鮮、以下同じ)の非核化に対する共同の目標を確認した」との共同声明を発表した。米国は8~9日に日本と開催した拡大抑止協議(EDD)の声明にも、「北朝鮮の完全な非核化に対する意思を再確認した」との内容を盛り込んでいる。
これらに関連して朝鮮外務省は14日、談話を発表し、「米日韓3カ国がいくら強弁しても、核保有国としての朝鮮民主主義人民共和国の現在の地位を絶対に揺るがすことはできない」とし、「誰であっても、時代の流れの中で永久に失踪した『非核化』を救い出すことはできないだろう」と強調した。
NCGは朝鮮の核・ミサイル脅威に対応した拡大抑止強化のために、韓国が米国の核運用に意見を伝えることができる2国間の協議体。2023年4月に韓米首脳が採択したワシントン宣言を機に発足した。
G7声明、「朝鮮の非核化」要求…金与正氏「越権行為」
フランスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で首脳らは17日、朝鮮の核・ミサイル開発に深い懸念を示し、朝鮮の完全な非核化を求める共同声明を採択した。招待国である韓国やインド、ケニア、ブラジル、エジプトの首脳も声明に署名した。
これに関連して金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党総務部長は18日に談話を出し、同声明の採択を「越権行為」と非難し、「核保有は必ず守るべきわれわれの核心的利益」と強調した。
統一部のチャン・ユンジョン副報道官は19日の記者会見で、同談話について、「政府は核のない朝鮮半島を実現するため、現実に基づき双方が受け入れられる段階的かつ実現可能な方策を導き出していくという立場に変わりはない」と述べた。
李大統領、朝鮮核問題は「段階的アプローチを」
李大統領は19日、青瓦台(大統領府)で記者会見を開き、G7サミットで朝鮮の核問題を巡り、トランプ米大統領と交わした会話の内容を明らかにした。
記念撮影の際、トランプ氏が「北朝鮮(※正しくは朝鮮、以下同じ)問題に関心を持つ時が来た」と話し掛けてきたため、自然に会話が進んだという。
李大統領によると、トランプ氏は「北朝鮮が核兵器を保有する前の段階で可能な措置を取るべきだったが、できなかったのが残念だ」と言及。李大統領は「今は他の国に対するやり方で北の核問題に取り組んではならないとはっきりと伝えた」とし、「(トランプ大統領)本人も同意した。しかし、解決策が見いだせず、悩んでいるようだ」と述べた。
また、「(北朝鮮の核問題は)一律に処理することは不可能だ。北は核兵器や核爆弾を製造できる核物質を生産し続けており、大陸間弾道ミサイル(ICBM)も開発の最終段階にあるとみられる」とし、「原則論でアプローチすることはできないため、段階別に目標を分けてアプローチしよう」と提案したと明らかにした。
北朝鮮の核物質生産と海外への搬出を防ぎ、ICBМの開発を中断させることだけでも国際社会にとっては利益になることを強調したという。「ひとまず中断させ、次の段階として体制への脅威がなくなったと判断される状況をつくり、そこから非核化に向けて進めばよいのではないか。これを長期目標とする段階的なアプローチについて時間をかけて説明した」と述べた。これに対し、トランプ氏は「それも一つの方法かもしれない。十分に検討してみる」と答えたという。
韓米は対朝鮮敵視政策を撤廃しろ
韓国とEU、韓米日、G7と韓国、韓米首脳の間で立て続けに「朝鮮の非核化」要求が取り上げられた。
その背景には、まずトランプ氏の「北朝鮮問題に関心を持つ時が来た」という発言が示すように、米国はイランとの停戦を踏まえて、「朝鮮の体制と核保有」問題の解決を次の目標としている点、次に朝ロ・朝中首脳会談を通じて、中ロは「朝鮮の非核化」について朝鮮の立場を事実上、肯定していることから、米国はこれ以上、中ロに対朝鮮非核化圧力を期待できないという点がある。
こうしたことから、米国主導で西側諸国に韓国も追従し、「朝鮮の非核化」要求の声を国際舞台で一斉に浮上させ、国際世論化を図ったものだ。
だが、朝鮮は「非核化はない」と再三、主張しており、すでに核保有・使用について憲法にも明記した状態だ。
李大統領は昨年8月、読売新聞のインタビューで朝鮮の非核化についてつぎのように述べている。「目指すところは朝鮮半島全域の非核化だが、非核化は唱えるだけでは実現できない。第1段階で核とミサイル(の開発)を凍結させ、第2段階で縮小させ、第3段階で非核化を目指さなければならない。(米国は)いわゆる「戦略的忍耐」で(北朝鮮を)放置してきたため、北朝鮮の核は凍結されず、より拡大し続けてきた。積極的に対話すべきだ」。今回トランプ氏に提案した非核化段階論だ。しかし、同提案は翌9月、金委員長が最高人民会議の演説で明確に拒絶した。
一方、韓米は朝鮮の非核化を要求しながらNCGが示すように対北-韓米核体制の強化を継続している。李政権は南北平和共存政策の前提として対北3原則を掲げながらも具体化は進まず、3原則に反する韓米合同軍事演習を展開している。残念ながら朝鮮外務省の13日の談話が指摘するとおりだ。
「非核化はない」とする朝鮮に対し、韓米は非核化を要求して軍事圧迫を加えているのが現在の構図だ。そもそも朝鮮が核開発し核兵器を保有し自衛的核抑止力強化を進めるようになったのは、米国による核威嚇を含めた敵視政策が原因だ。韓米は朝鮮に対するすべての敵視政策を撤廃すべきである。そうしてこそ米国は朝米対話の糸口を探ることが、韓国は平和共存政策を徐々に進めることが可能となるだろう。
(6月24日)
※写真-韓国-EU共同声明を発表する李在明大統領(写真左)



