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情勢解説

尹錫悦に死刑求刑、内乱勢力を断罪しよう

尹錫悦に内乱首謀罪で死刑を求刑

「非常戒厳」宣言を巡り内乱首謀罪などの罪に問われた前大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告に対する論告求刑公判が1月13日、ソウル中央地裁で開かれ、内乱事件を捜査した特別検察官は死刑を求刑した。内乱首謀罪の法定刑は死刑、無期懲役、無期禁固の三つしかない。

特別検察側は「国会、選挙管理委員会への乱入や報道機関の断電・断水の試みなど、憲政史上、前例のない反国家勢力による重大な憲法破壊事件だ」と批判。「司法府や立法府を掌握し、長期にわたって政権を握る目的で非常戒厳を宣言した」と指摘した。

尹被告は当時の金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官らと共謀し、戦時や事変など国家非常事態の兆候がなかったにもかかわらず、違憲・違法な非常戒厳を宣言するなど、国の秩序を乱す目的で暴動を起こした罪などに問われている。

戒厳軍と警察を動員して国会を封鎖し、国会の非常戒厳解除決議を妨害したほか、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長や当時の野党「共に民主党」代表だった李在明(イ・ジェミョン)大統領、当時の与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表らをはじめ、中央選挙管理委員会の職員を拘束・拘禁しようとしたとされる。

また、特別検察は金龍顕被告に無期懲役、前警察庁長の趙志浩(チョ・ジホ)被告に懲役20年を求刑した。判決は2月19日に宣告される予定。

尹錫悦に初の判決、懲役5年

「非常戒厳」宣言を巡り、自身の拘束を妨害した特殊公務執行妨害などの罪に問われた尹被告の判決公判が16日、ソウル中央地裁で開かれ、地裁は懲役5年(求刑懲役10年)を言い渡した。同被告が抱えている複数の裁判のうち、判決が言い渡されるのは初めて。尹被告側は19日、判決を不服として控訴した。

大統領府と各党がコメント

尹被告への死刑求刑に対して大統領府は「裁判所が法と原則、国民の視点に沿った判決を出すことを望む」と短くコメント。共に民主党は「憲政破壊に対する峻厳(しゅんげん)な審判」だとし、「司法府の判断において、歴史の罪人を断罪するのにためらいがあってはならない」と強調した。進歩党は「内乱勢力に下された民主主義の鉄槌(てっつい)」だと評した。

国民の力は「尹錫悦前大統領はすでに党を離れた方であり、立場表明するのは適切ではない」として公式的な立場表明をしなかった

「総合特別検察官法」閣議決定

政府は20日、李大統領の主宰で開かれた閣議で、三つの特別検察官チーム(内乱特検、殉職海兵隊員特検、キム・ゴニ特検)の捜査を踏まえ、解明できなかった疑惑や新たに浮上した疑惑など計17件を捜査する、いわゆる「総合特別検察官法」を閣議決定した。

同法案は16日の国会本会議で、共に民主党の主導で可決された。捜査期間は準備期間20日を含む最長170日で、捜査員数は最大約250人となる。

前首相に懲役23年判決、「非常戒厳」は「内乱」

「非常戒厳」宣言を巡り、内乱首謀ほう助罪などに問われた前首相、韓悳洙(ハン・ドクス)被告に対し、ソウル中央地裁は21日、懲役23年の判決を宣告した。韓被告は法廷で身柄を拘束された。

地裁は非常戒厳宣言を内乱と認める初の司法判断を示した上で、「被告は間接的ではあるが、民主的正当性とそれに対する責任を付与された首相として憲法と法律を順守し、憲法を守るために、あらゆる努力を傾けなければならない義務を負うにもかかわらず、義務と責任に背いて内乱に加担することを選んだ」と指摘した。

内乱勢力を断罪しよう

特別検察官は12.3戒厳クーデターを「憲政史上、前例のない反国家勢力による重大な憲法破壊事件」とし、「尹錫悦は司法府や立法府を掌握し、長期にわたって政権を握る目的で非常戒厳を宣言した」と指摘。尹錫悦に内乱首謀罪で死刑を求刑した。大統領の地位を利用して憲法を破壊し国民を危機に陥れても、反省さえしない「反国家事犯」「国家暴力犯罪者」には当然の求刑だといえる。

戒厳クーデターから400日が過ぎてようやく求刑にたどり着いた。これから判決だ。司法府は民主主義と憲法を守護する意志があることを示さなければならない。暗黒の時代へと回帰するかもしれない国の危機を、国民は主権を発揮して救い、民主憲政を守り抜いた。裁判過程でもそのことを忘れてはならない。内乱首謀者と内乱勢力を断罪しなければならない。(1月21日)

※写真-法廷で陳述する尹錫悦被告(13日)