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金委員長、中・ロ首脳と会談…「戦略的関係」強化へ

金委員長、プーチン大統領と会談

金正恩国務委員長(朝鮮労働党総書記)は中国・北京で9月3日に開催された抗日戦争勝利80年記念の軍事パレードに出席した。

朝鮮中央通信は4日、金正恩氏とロシアのプーチン大統領が北京・釣魚台国賓館で前日開かれた会談で「(両国の)前向きな協力計画について詳しく討議した」とし、「両国関係を引き続き高い水準に導いていく確固不動の意志を改めて確認した」と報じた。

会談は約2時間半にわたり行われ、金氏とプーチン氏は主な国際・地域問題についても虚心坦懐(たんかい)に意見交換した。

プーチン氏は両国の関係が「特殊な信頼関係、友好関係、同盟関係」だとし、ロシア西部クルスク州の奪還作戦に参加した朝鮮軍の勇敢さとカリスマ性を高く評価するとともに「全ての朝鮮人民に送る最も熱いあいさつを伝えてもらいたい」と述べた。

金氏は「これからも国家主権と領土保全、安全利益を守護するためのロシア政府と軍隊、人民の闘争を全面的に支持する」とし、「それを兄弟の義務と見なし、変わりなく忠実に朝ロ間の条約を履行していく」と強調した。

金委員長、習近平主席と会談

朝鮮中央通信は5日、金国務委員長と中国の習近平国家主席が前日、北京の人民大会堂で首脳会談を行ったと報じた上で、金氏が抗日戦争勝利80年記念行事に出席するため訪中したことについて「朝中親善関係の普遍性と不敗性を示した歴史的な契機だ」と評価した。

同通信は、両首脳が会談で「高官級の往来と戦略的な意思疎通を強化していく問題について虚心坦懐(たんかい)に意見を交わした」と報じた。対外関係分野で両国の党と政府が堅持している自主的な政策的立場について説明し、「国際・地域問題を巡る戦略的協力の強化や共通利益の守護について言及した」と伝えた。

金氏は習氏に対し「国際情勢がどのように変化しようとも朝中間の親善の感情は不変であり、朝中関係を絶えず深め、発展させることは朝鮮労働党と朝鮮民主主義人民共和国政府の確固不動の意志だ」と明言した。

続けて「朝鮮はこれからも国家の主権と領土保全、発展利益の守護に向けた中国共産党と中華人民共和国政府の立場と努力を全面的に変わりなく支持し、声援を送る」と述べた。

習氏は「中朝は運命を共にし互いを助ける立派な隣国であり、立派な友であり、立派な同志だ」とし、「中国の党と政府は伝統的な中朝親善を高度に重視しており、中朝関係を立派に守護し、立派に堅固にし、立派に発展させる用意がある」と述べた。その上で「国際情勢がどのように変わろうと、この立場は変わらない」とし、「中国側は過去と同様にこれからも朝鮮が実情に合った発展の道を進み、朝鮮式社会主義の偉業の新たな局面を不断に開拓していくことを支持する」との考えを示した。

※写真-朝中首脳会談前に習近平主席と握手する金正恩委員長(左)