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梨泰院惨事1周忌…遺家族らは市民追悼大会開催、尹大統領は参加せず教会で追悼礼拝?
【2023年11月13日】
梨泰院惨事の1周忌を迎え、遺家族協議会と市民対策会議はソウル広場で市民追悼大会を開催し、多くの参加者は犠牲者を追悼するとともに特別法の制定を訴えた。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は主催者側の参加要請にも口実をつけて参加せず、大統領室は教会で追悼礼拝を捧げたと弁明に終始した。統一ニュースの記事(10月29日)を紹介する。(※一部省略)
梨泰院惨事遺家族、「特別法が最も重要な課題」
「1周忌追悼大会」無視した尹大統領、「安全な大韓民国」強調
「10・29梨泰院惨事を記憶してください」
29日午後5時、ソウル市庁前広場。「10・29梨泰院惨事1周忌市民追悼大会」演壇に立った「10・29梨泰院惨事遺家族協議会」イ・ジョンミン運営委員長が参加者と国民に向けてこのように訴えた。「その記憶が少しずつ集まり大きくなるならば、二度と大韓民国にこのような惨事は発生せず、これ以上の遺家族は生まれないだろう」と述べた。
特に「わたしたちのなくした子供たちを追悼するこの時間は、決して政治集会ではない」「惨事以後、わたしたち遺家族はいままでただの一度も政治的行動をしたことがない。単にわたしたちはわたしたちのくやしさを訴えただけ」と声を強めた。
遺家族の「追悼大会参加」要請に対し、「政治集会」という言い訳をしてついに参加しなかった尹錫悦大統領にむけたものだ。
イ・ジョンミン運営委員長は「いまやわたしたちには特別法だけが最も重要な課題」と強調した。「梨泰院惨事の原因と再発防止を論ずることができる最も重要な法」であり、「国民が惨事に対するトラウマに打ち勝つことができる法」だということ。
そして「惨事を前にして、与野党いずれも国民の声に耳を傾けなければならないとき」「正しい姿勢で特別法通過に力を加えてください」と訴えた。
この日、「追悼大会」に参加した4野党(「共に民主党」、正義党、進歩党、基本所得党)代表は、「梨泰院惨事真相究明特別法(以下、特別法)」処理を約束した。特に、共に民主党の李在明代表は「わたしができる最善の努力を尽くす」と念を押した。
一方、「個人資格」で参加したイン・ヨハン革新委員長、キム・ビョンミン最高委員、クォン・ヨンセ議員を始めとした与党「国民の力」関係者は、これといった立場を明らかにしなかった。一部行事が終わると退場し、一部の市民から強い「抗議」を受けたりした。
30日午後4時、国会次元で「追悼行事」が開かれる予定。
「10・29梨泰院惨事市民対策会議」のカン・セボム(進歩大学生ネット)、パク・ソグン(全国民衆行動)、イ・ジヒョン(参与連帯)、イ・テイ(民主労総)、チョ・ヨンソン(民主社会のための弁護士の集い)氏が、五つの「記憶・追悼・真実に向けた誓い」を明らかにした。
1.梨泰院惨事が発生するようになったわたしたちの社会の構造的問題と惨事発生の根本的原因を探して、真実を明らかにし、責任を問うことを放棄しない
1.犠牲者に対する嫌悪と差別の言葉が消える日まで、遺家族に寄り添い犠牲者の名誉回復のための歩みを止めない
1.特別法が制定され独立的調査機構が設置される日まで、国会と政府を見守ることをおろそかにしない
1.生命と安全を守ることができる法と制度をつくり、きちんとした再発防止対策がつくられるまで連帯と支持の手をはなさない
1.この地に生きこの地にとどまりこの地を通る誰もが、安全で平等に歩き回り生きることができる社会が建設されるまで、責任を持ち続ける
二部行事は追悼公演形式で進行された。
午後1時59分にはソウル梨泰院駅1番出口付近で、「4大宗教団体祈祷会」が開かれた。惨事の現場であるハミルトンホテル路地には、遺家族と地域住民が衆知を集めて「記憶と安全の道」を造成した。
一方、イ・ドフン大統領室スポークスマンは「尹錫悦大統領は今日昼にソウル城北区の霊岩教会で梨泰院惨事1周忌追悼礼拝を捧げた」と述べた。尹大統領が小学校1年生から中学校1年生まで通ったという教会。
「追悼辞」を通じて、尹大統領は「昨年の今日は、わたしが生きている中で最も大きい悲しみの日」「大韓民国の国民すべてがわたしと同じような気持ちだろう」と語り、「『安全な大韓民国』という目標のために、今後もさらに努力する」と付け加えた。
「遺族が重ねて追慕大会へ参加要請したのに尹大統領が参加しなかった理由が何か」との質問について、大統領室関係者は「梨泰院事故現場であれ、ソウル広場であれ、そこではなく城北区の教会でも犠牲者を追悼し哀悼する気持ちには異なるところはないと考える」と質問への直接の答えを避けた。
原文 https://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=209301