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情勢解説

国情院による民主労総への家宅捜索…尹政権は公安弾圧をすぐさま中止しろ!

【2023年2月3日】

国家情報院(国情院)と警察庁は1月18日、全国民主労働組合総連盟(民主労総)関係者に国家保安法違反容疑をあげ、ソウルにある民主労総本部の家宅捜索に入った。民主労総側は弁護士の立ち会いを求め、国情院と警察関係者が本部に入ることを阻止しようとし、双方がもみ合いになる場面もあった。警察は約700人を動員しエアマットやはしご車まで配置、民主労総が入るビルを封鎖、統制した。

家宅捜索は、国情院が捜査している済州島にある進歩民衆団体の元幹部らによる国家保安法違反の事件と関係があるとされているが、民主労総と進歩民衆勢力側では否定している。

民主労総は19日、同本部で「―国情院動員 労働弾圧・公安統治復活―尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権糾弾 民主労総緊急記者会見」を開催。国情院の家宅捜索を糾弾し、公安弾圧の中止を求めるとともに、警察と国情院を前面に立てた反民主・反民生・反労働政権を許さず闘うと主張した。

また、民主労総と民弁、全農、全国民衆行動、参与連帯、キリスト教教会協議会など231団体は大統領室前で共同記者会見を開催。国情院による民主労総への家宅捜索を糾弾し、尹政権に進歩陣営への公安弾圧をすぐさま中止するよう求めた。

昨年11月から始まる進歩民衆勢力に対する公安弾圧はついに民主労総にまで及んだ。国情院は主張する事件について、意図的にメディアに情報を流し、「スパイ団」などの見出しが躍る記事をあふれさせ、進歩民衆勢力に「アカ攻撃」を加えて「北の手先」というレッテルを張ろうと画策している。18日の家宅捜索は関係者のコンピューター一台を押収しただけで、大がかりな捜索態勢がいかに対外的なイメージづくりを企図しているかを示した。対共捜査権の警察への移譲を控える国情院は、尹政権の誕生を好機ととらえ、既得権の維持にとどまらず拡大まで視野に入れながら巻き返しを図っている。政府・与党も協力姿勢だ。

尹政権は反対勢力、そのなかでも団結した労働者の力を封じ込めるために、民主労総の弾圧に乗り出した。進歩民衆勢力の中心である民主労総に対する弾圧は、尹政権が進歩民衆勢力に対して全面的で本格的な攻撃を開始したことを意味する。進歩民衆勢力の総団結した力で公安弾圧をはねのけ、尹政権の野望を打ち砕かなければならない。