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情勢解説
尹大統領のイラン「敵」発言…またもや「外交惨事」!
【2023年2月3日】
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は1月15日、国賓として訪問したアラブ首長国連邦(UAE)で韓国軍の「アーク部隊」を訪れ、将兵を激励しながら「われわれの兄弟国であるUAEの安全保障はすなわち、われわれの安保」と述べた。「UAEの敵、最大の脅威はイランで、われわれの敵は北」とし、韓国とUAEはよく似た立場にあると語った。
尹大統領の発言を受け、イラン側はユン・ガンヒョン駐イラン韓国大使を呼び出して抗議した。韓国外交部も19日にシャベスタリ駐韓イラン大使を呼び、尹大統領の発言について説明した。尹大統領のスイス訪問に同行している大統領室関係者は「UAEが直面した安全保障の厳しい現実を直視しながら熱心に勤務してほしいという趣旨の、将兵たちに対する発言だった」と説明。尹大統領の発言が韓国とイランの関係とは無関係だという立場を改めて示した。
尹大統領の失言・放言・暴言がまた飛び出した。UAEとイランは関係改善に努力しているところであり、UAEにとってイランは「敵」ではない。当然、尹大統領が「敵」だと勝手に規定し言及すべきことではない。ましてや朝鮮を引き合いに出す必要はまったくない。大統領の外交能力を云々する前に品性と知性が疑われる発言だ。昨年9月訪米時の低俗語発言に続く第二の「外交惨事」と言わざるを得ない。大統領室は弁明に追われたが、納得できる説明ができるはずもない。尹大統領は帰国の際、専用機内での定例記者会見を実施しなかったが、記者からの質問に答えてさらなる失言・放言・暴言が出ることを防ぐためであったのは間違いない。