在日韓国民主統一連合

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民族時報のご案内

民族時報 第1251号(8)

韓統連 孫議長に海外同胞大賞

韓国記者連合会、韓統連の業績を高く評価

  韓統連は四十年以上にわたり、あらゆる妨害をはねのけて自主・民主・統一を実現するために全力で奮闘してきた。その韓統連の孫亨根議長が今回、韓国の月刊 雑誌「時事ニュース・トゥデイ」と発行元の韓国新聞記者連合会が共同で制定した「二〇一四誇らしい韓国人海外同胞部門韓民族大賞」を受賞し、内外で関心を 集めている。

四月二十八日に韓統連中央本部で行われた授与式には同誌のチェ・ビョンウ局長が孫議長に直接、賞牌(しょうはい)を授与し祝賀した。賞牌には「孫議長は 韓日国交樹立四十九周年を迎え、祖国の平和統一および両国の和解・協力の精神と時代的な使命感を持ち、文化交流事業を積極的に展開、在日同胞の権益擁護と 韓国の民主化、祖国の平和統一に対する功績を認め、大賞に選定し授与する」と記載されている。

あわせて行われたインタビューでは、孫議長が大阪で二十代初め韓国語を学ぼうと民団の門をたたいた時期から、七・四共同声明を経て韓青、韓民統、韓統連 と民主化・統一運動に主導的に携わった経歴に触れながら、二〇〇九年に韓統連議長に就任、今年三月には六・一五共同宣言実践日本地域委員会の議長に選出さ れたことが紹介されている。続けて孫議長は同委員会への意気込みと韓統連結成四十周年を機に定立した「矜持・愛・勝利」三大意識化運動の意義を述べるとと もに、「何よりも韓青に属する若い世代の育成が重要であり、そのために民族心と愛国心を涵養しなければならない」と強調した。統一マダンなどこれからの事 業について語り、最後に在外投票に積極対応していることを明らかにしながらも、政府のさらなる支援と関心が必要だと締めくくった。

大賞受賞は民族通信の盧吉男代表も直接取材し紹介した。

時事ニュース・トゥデイの孫議長インタビュー(全文)韓国語


【決議文】光州民衆抗争34周年在日韓国人集会決議文

一九八〇年五月、戒厳令を拡大した全斗煥を頭目とする軍部は銃剣で光州市民たちを手当たり次第に弾圧した。これに抗議して市民は勇敢に闘い、いっ たん韓国軍を市外に追いやった。しかし米軍指揮下にある軍隊が再び市内に投入され「解放光州」は血の海に沈んだ。軍部の虐殺によって二百人以上の市民が犠 牲となった。光州民衆抗争は血の教訓として反米自主化運動の重要性を提起し、韓国変革運動を自主・民主・統一運動へと発展させた歴史的な抗争であった。そ の後の激しい闘争によって軍事独裁は打倒されたが、軍事独裁に代わって登場した無能で無責任な保守政権によって、わが民族の悲劇は終わっていない。彼らは ひきつづき米国に従属している。

光州民衆抗争から三十四年目の春を迎えて、セウォル号惨事がひき起こされた。われわれは犠牲になった方々に哀悼の意を表し、いまだに行方不明の方々が一刻も早く家族のもとに帰還するよう心から願う。

朴槿恵政権が人命を尊重する政策を行っていたら、行政機関の不正腐敗にメスを入れていたら、事故は事前に防止できたであろう。また今回の事故の場合、的 確で迅速な救助活動を展開していたならば、犠牲になる人もほとんどいなかっただろう。セウォル号惨事に対する対応を通じて、あらためて朴政権の無能力と無 責任さが明らかにされた。今日、われわれは国内外の運動に合勢して、早急にセウォル号惨事の真相を究明し、朴政権の責任を徹底して追及していくことを共に 決意した。

朴大統領はとうてい正統な大統領とはいえない。二年前の大統領選挙は国情院など国家機関が関与した不正選挙であったことが明らかにされている。その真相 究明さえ拒否する朴大統領は即刻退陣すべきだ。来たる六・四地方選挙で野党と全国民は団結して朴政権と与党セヌリ党に対して審判を下さなくてはならない。

われわれは今日を契機により一層朴槿恵政権の退陣運動にまい進していくことを誓いながら、以下の項目を決議する。

一、セウォル号惨事の責任をとって無能無責任の朴槿恵政権は退陣しろ!

一、セウォル号惨事の真相を徹底的に究明しろ!

一、大統領選挙における国情院など国家機関の不正を特検で調査しろ!

一、光州民衆抗争の闘争精神を継承し、自主・民主・統一運動を前進させよう!

二〇一四年五月十八日

光州民衆抗争三十四周年 セウォル号惨事の真相を究明しろ! 無能無責任の朴槿恵政権は退陣しろ! 在日韓国人集会参加者一同


光州民衆抗争34周年
各地で在日韓国人集会開く

セウォル号惨事の責任問う

  在日韓国民主統一連合(韓統連・孫亨根議長)は五月十八日、関東、東海、関西地域で「光州民衆抗争三十四周年 セウォル号惨事の真相を究明しろ! 無能無 責任の朴槿恵政権は退陣しろ! 在日韓国人集会」を開き、基調報告と情勢講演を通じて認識を共有し、決議文を採択した。

東海では名古屋市内で集会が開かれた。韓統連愛知本部の趙基峰代表委員のあいさつがあり、続いて姜春根副議長があいさつした。映像上映の後、全体で基調 報告を朗読し、孫亨根議長が情勢講演を行った。その後、四名の決意表明を受けて決議文が朗読され、最後に韓統連三重本部の金相祚代表委員が閉会辞を述べ た。

関西地域集会は大阪市内で開かれた。冒頭、四月十六日に起きた韓国の旅客船セウォル号沈没事故犠牲者に送る追悼歌「子どもたちよ、上がっていこう」の映 像上映と黙祷が行われ、「ニムのための行進曲」が斉唱された。続いて、韓統連大阪本部の金隆司代表委員が主催者あいさつし「八〇年五月、独裁政権打倒、民 主化の実現を叫ぶ光州市民が虐殺された。その後、光州精神は各界各層に継承され、八七年の六月民衆抗争につながった」と述べた後「セウォル号沈没惨事に対 し朴槿恵政権は救助できるはずの乗客などの命を救えなかった。惨事の真相究明と責任者の処罰を強く求めていこう」と訴えた。

次にドキュメント「光州民衆抗争」が上映され、続けて基調報告とセウォル号家族対策委員会の声明書を読み合わせた。その後、質疑応答が行われ、宋世一副 議長からセウォル号惨事の真相究明に向けた動きや六月四日の統一地方選挙の情勢などについて詳細な説明が行われ、認識を共有した。最後に六月の統一マダン 神戸と統一マダン生野の報告があり、各団体の決意表明の後、韓統連兵庫本部の崔孝行代表委員が閉会あいさつした。

関東では、韓統連関東地協が都内で集会を開いた。冒頭で民主化闘争の先烈たちとセウォル号沈没事故犠牲者に対する黙祷が行われ、「ニムのための行進曲」 が斉唱された。韓統連東京本部の梁炳龍代表委員が主催者あいさつを行い「セウォル号沈没事故で、朴政権は徹底した真相究明と責任者処罰、今後の安全対策を 行わなければならない」と強調した。

続いて映像上映が行われ、基調報告ではセウォル号沈没事故の問題点と今後の課題が報告された。質疑応答の後、朴南仁副議長による情勢講演が行われ、認識を共有した。最後に韓統連、韓青、女性会からそれぞれ決意表明があり、決議文を参加者全員で確認した。

集会に先立って、セウォル号沈没事故の真相究明と朴政権の責任を求めるビラが作成され、各地域で宣伝活動が行われた。

民族時報 第1251号(7)

【論説】6・4地方選挙の情勢

セウォル号惨事で朴槿恵政権に逆風

六・四統一地方選挙の公式選挙運動が五月二十二日から始まった。これから十三日間、与野党の激しい遊説戦が繰り広げられることになる。中央選挙管 理委員会によれば、今回の選挙は市・道知事と教育委員長各十七人、区・市・郡地方自治体長二百二十六人、広域市・道議員七百八十九人、区・市・郡議員二千 八百九十八人、教育議員五人の総三千九百五十二人を選出する。

政府の無責任な対応で三百人以上の死亡・行方不明者を出したセウォル号惨事に対し、国民の苦痛と怒りは依然、収まっていない。国内外では追慕の黄色いリ ボンの波と共に、無能な朴槿恵政権退陣を要求する声が鳴り響いている。国家情報院など国家機関を総動員した不正選挙で出帆した正統性のない朴政権だった が、今まで高い支持率を維持してきた。しかし、今回のセウォル号惨事では全員救えたはずのところを一人も救出できず、無能と無責任が明らかになった朴政権 に対する国民の視線は冷たい。

大統領選挙後、一年六カ月を経て実施される今回の選挙は、朴槿恵政権に対する中間評価の性格が強いと言える。セウォル号惨事について謝罪した大統領の国 民向け談話も、誠意がみえない内容で失望だけ招いた。ウォールストリートジャーナルの国民向け談話に対するオンライン投票は二十二日現在、回答者の九六% が不満足と答えた。地方選挙を前に実施した世論調査では、八四%が投票に参加する意思を明らかにした。ここから保守政権を民主的政権に交代させなければな らないという民意が読みとれる。特に政府の無能に対する二十~四十代の失望と非難が大きいと、世論調査機関は分析している。
首都圏情勢、ソウル・仁川は野党優勢、京畿道は接戦

与野党共に神経をとがらせている地域はソウル、仁川、京畿の首都圏だ。首都圏の情勢は二〇一七年の大統領選挙にも大きな影響を及ぼすからだ。現在のソウルと仁川は野党の新政治民主連合が優勢で、人口一千二百五十万人の京畿が最大の激戦地と予想されている。

五月十七~十九日、SBS、MBC、KBS放送三社が十七の広域団体長選挙に関する第一回全国世論調査を実施した。この結果を見れば、野党の新政治民主 連合がソウル、仁川、忠南、全南、全北の五カ所で優勢、京畿、釜山、忠北、世宗、光州の六カ所は誤差範囲内の接戦と出た。与党セヌリ党は大邱、大田、慶 南、慶北、蔚山、済州の六カ所で優勢だ。

具体的には、▼ソウル市長─新政治民主連合・朴元淳候補五一・〇%、セヌリ党・鄭夢準候補三五・四%(一五・六ポイント差)▼仁川市長─新政治民主連 合・宋永吉四二・一%、セヌリ党・劉正福三一・八%(一〇・三ポイント差)▼京畿道知事─新政治民主連合・金振杓三五・七%、セヌリ党・南景弼三四・八% (誤差範囲内超接戦)統合進歩党・白賢種五・五%▼釜山市長─セヌリ党・徐秉洙三九・六%、無所属・呉巨敦三四・二%(誤差範囲内接戦)▼大邱市長─セヌ リ党・権泳臻四一・三%、新政治民主連合・金富謙二九・七%(一一・六ポイント差)▼大田市長─セヌリ党・朴城孝四五・〇%、新政治民主連合・権善宅二 七・七%▼蔚山市長─セヌリ党・金起炫五二・七%、新政治民主連合・李象範一二・四%、正義党・趙承洙七・二%▼世宗市長─新政治民主連合・李春熙四〇・ 一%、セヌリ党・兪漢植三九・六%(誤差範囲内接戦)。

湖南地方は▼光州市長─無所属・姜雲太(現市長)二五・七%、新政治民主連合・尹壮鉉二一・二%、無所属・李庸燮一八・〇%(姜雲太、李庸燮候補が一本 化に合意、一本化の影響が勝負を分けるだろう)▼全南道知事─新政治民主連合・李洛淵五九・一%、セヌリ党・李重孝六・四%、統合進歩党・李城秀七・ 一%▼全北道知事─新政治民主連合・宋河珍五七・九%、セヌリ党・朴鉄坤一〇・九%、進歩党・李光石八・一%▼忠南道知事─新政治民主連合・安熙正四五・ 三%、セヌリ党・鄭鎮碩三〇・四%(一四・九%ポイント差)だ。統合進歩党は光州・尹敏皓候補、全南・李城秀候補、全北・李光石候補(全農議長出身)が善 戦できるかに、注目が集まっている。

保守志向が強い嶺南地方はセヌリ党が優勢を示している。▼慶北道知事─セヌリ党・金寬容六二・四%、新政治民主連合・呉仲基九・六%▼慶南道知事─セヌ リ党・洪準杓五一・四%、新政治民主連合・金慶洙一九・八%、進歩党・姜炳基四・五%▼済州道知事─セヌリ党・元喜龍五六・三%、新政治民主連合・慎久範 二一・七%だ。

セウォル号惨事の前にメディアリサーチが実施したソウル市長選仮想対決の世論調査では、セヌリ党・鄭夢準四八・五%、新政治民主連合・朴元淳現ソウル市 長四五・五%だったが、五月中旬の世論調査では朴候補が五三・三%、鄭候補が三二・九%と、実に二〇・四ポイントの差を示した。鄭候補の次男の「国民未 開」発言と夫人の擁護発言も支持率急落に一役買った。
セウォル号惨事に怒った四十代女性

セウォル号審判を全面に掲げた新政治民主連合は安全な国、国民安全の約束を掲げて選挙戦に出た。政府の無能な対応で一人も救えなかったセウォル号惨事 に、同じ年頃の子供を持つ四十代の母親たちが怒り、積極的な投票で政府とセヌリ党に対する審判を下す可能性が大きくなった。

韓国ギャラップの世論調査(四月四日)で四十代女性の朴槿恵支持率六二%がセウォル号惨事後(五月二日)四二%と二〇%落ち、セヌリ党支持率は四〇%か ら二六%に急落した。今年の地方選挙有権者は四千百三十万四千三百九十四人で、四十代が二一・七%と最も高い。二十代一六%、三十代一九・二%、五十代一 九・七%、六十代一一・一%、七十代以上一〇・六%だ。若い世代の投票率が高ければ野党に有利だと分析されている。

政党支持率(『ハンギョレ』五月十二~十三日世論調査)は、セヌリ三二・三%、新政治民主連合二五・六%、統合進歩党四・三%だ。「セウォル号惨事後、 投票意思が高まった」は二十代以下四一・一%、三十代五二・七%、四十代三六・六%であり、支持政党別で新政治民主連合支持層の五三%が「投票する考えが 強くなった」と答えた。しかし世代別には、五十代六六・四%、六十代以上六八・八%が積極投票の意向を示しており、与党支持志向の投票率が高い可能性が高 く、安心はできない。

朴槿恵大統領は地方選挙を目前にして、セウォル号の責任を負って辞意表明した鄭?原国務総理の後任に安大熙元最高裁判事を指名し、南在俊国家情報院長と 金章洙国家安保室長を電撃更迭した。セウォル号惨事で離れた民意を収拾しようと、今まで解任要求を拒否してきた国家情報院長を解任した。だが、独善的な国 政運営を補佐している維新残党の核心側近である金淇春秘書室長は留任させた。セウォル号惨事は保守政権に大きい打撃を与えるのか、注目が集まっている。

(河民宇記者)


統一マダン神戸プレイベント開催

宋副議長、反戦平和・統一をテーマに講演

韓統連兵庫などで構成する統一マダン神戸実行委員会は第十八回統一マダン神戸の開催にあたり五月十七日、新長田駅前のピフレホールでプレイベント・講演会「韓国・日本の反戦平和運動と朝鮮半島の統一」を開催した。

プレイベントでは実行委員会を代表して韓統連兵庫本部の崔孝行代表委員が主催者あいさつした後、宋世一韓統連副議長が講演した。宋副議長は米国政府のア ジア重視=リバランス(再均衡)政策とそれに沿った韓米日軍事同盟化、日本政府の「戦争する国」づくり、韓国政府の南北対決政策が朝鮮半島と東アジアの平 和を脅かしていると指摘、民衆連帯による反戦平和運動でこれに対抗することを強調した。あわせてセウォル号惨事を中心に韓国情勢についても言及した。

日朝ネットの朝鮮高校無償化要求のアピールに続いて、実行委員会が統一マダン神戸の紹介と成功に向けた支援と協力を訴えた。

今年の統一マダンは、神戸が六月一日(日)十二時から新長田駅前の若松公園、生野が十五日(日)十二時から今里駅近くの新今里公園、東京が七月二十七日 (日)午後4時から日暮里駅前イベント広場でそれぞれ開かれる。また東京では七月四日(土)午後七時から町屋駅前の町屋文化センターでプレ企画を行う。各 実行委員会では多くの方々の参加を呼びかけている。


韓統連、各地で行事活発に

セミナー、集会、野遊会など

五月の連休をはさみ、韓統連各地方本部は学習会や集会などを活発に開いた。

韓統連愛知本部(趙基峰代表委員)は四月二十七日、名古屋市内で「第八回韓統連愛知セミナー─朝鮮学校は無償化されなければならない」を開いた。

セミナーでは、金伸治・元愛知朝鮮中高級学校校長、裵明玉弁護士、山本かほり・愛知県立大学教授から報告があった。金元校長は、解放直後から現在まで民 族教育の歴史を説明し、弾圧や差別のなかで闘い取られた朝鮮学校の意義と価値を語った。裵弁護士は、生徒に関係ない「拉致問題」や「北朝鮮と朝鮮総連の影 響」を理由として朝鮮学校が無償化から除外されたことは憲法違反かつ人権侵害であると訴えた。山本教授は、「朝鮮高校にも差別なく無償化適用を求めるネッ トワーク愛知」の活動を報告した。

同日、韓統連東京本部(梁炳龍代表委員)は都内で韓統連、民主女性会、韓青による合同野遊会を開き、家族連れでにぎわった。参加者らはバーベキューを囲み交流を深め、気持ちを新たに運動にまい進する決意を固めた。

韓統連三重本部(金相祚代表委員)が参加する反戦・平和・反差別を求める「第十三回ピースネット五・三市民の集い」が五月十日、同実行委員会の主催により四日市市内で行われた。

韓青三重のサムルノリ「雲雨風雷」がオープニングをかざり、実行委の伊藤信雄代表が開会あいさつを述べた。続いて、糸数慶子参議院議員が「沖縄と憲法・ 国会」と題して講演し、沖縄の在日米軍基地問題の現状と日本国憲法の意義を語り、憲法解釈変更と改憲をめざす安倍政権の危険性を強調した。集会後、参加者 は「ストップ!安倍暴走内閣」デモ行進を行い、安倍政権の軍事大国化路線に反対を訴えた。

民族時報 第1250号(5)(6)

【資料】光州三十四周年在日韓国人集会基調報告

朴政権はセウォル号惨事の真相究明と責任者処罰を行え!

セウォル号沈没事故の発生

  四月十六日午前八時四十八分、仁川から済州島をめざし全羅南道珍島沖を航行していた清海鎮海運のセウォル(世越)号は、突然の停電に見舞われた。約三十秒 後、非常用バッテリーにより電源は復旧したものの、急激な右旋回と同時に船体が傾き、航路は急角度の放物線を描いた。八時五十二分、セウォル号は再び動力 を失い、船体を西に向けたまま潮流に流され、船体のバランスが左に崩れて沈没を始めた。

その直後、消防当局に「一一九番」の通報が入った。船内の高校生が「助けてください。船が沈んでいるようだ」と訴えていた。それに遅れて三分後、セウォル号からの遭難信号を管制センターがとらえた。

セウォル号には、安山檀園高校の修学旅行生三百二十五人を含む四百七十六人が乗船していた。午前九時、「客室で待機してください」という案内放送が七回 流され、その後も継続して「動くと危ないため、じっとしてください」という案内放送が流れ続けた。これにより檀園高の学生たちのほとんどが客室で待機し続 けたとみられている。

船長は九時七分から三十七分まで海洋管制センターと交信し、救援を要請していた。しかし、乗客の脱出に関してセンター側から脱出の判断を決定するよう言 われたにもかかわらず、船長は「船が傾いて脱出が不可能だ」「案内放送が不可能だ」「今、脱出すれば救助できるのか?」と言い訳じみた返信に終始し、最後 まで乗客脱出を指示することはなかった。

船体が六十度傾いた九時四十分ごろ、船長をはじめとする主な船員は脱出した。乗客の脱出を助けて死亡したマネージャーのパク・ジヨン氏など少数の船員は乗客のために働いたが、多くの船員が乗客を見捨てた。

セウォル号が船首を残して水没したのは午前十時三十一分だった。

現況

五月十五日現在、搭乗者人数四百七十六人中、生存百七十二人、死亡二百八十四人、行方不明二十人。檀園高校生の生存者は七十五人だった。

現場海域は潮流が早く、視界も三十センチメートル以下と非常に悪いため、捜索活動は難航した。潜水士たちは干満を見計らって水中接近を行い、四月十八日 から船内捜索をはじめ、照明弾や集魚灯で二十四時間体制の作業を行った。二十三日には三階食堂への進入に成功し、本格的な船内捜索が始まった。

救助活動中に二次災害も起こった。四月十六日に駆逐艦乗組員が頭部を負傷し死亡、五月六日には民間の潜水士が亡くなった。

検察は五月十五日、イ・ジュンソク船長ら十五人の船員を、乗客に船内に留まるよう指示したまま脱出したことから「不作為による殺人容疑」などで起訴することを決めた。

沈没事故の原因

セウォル号沈没の原因については海洋警察庁などが調査中だが、すでにいくつかの指摘がなされており過積載とバラスト水の不正、船体の無理な改造、操舵機の欠陥による急激な変針などが挙げられている。

有力な直接原因とされるセウォル号の過積載については、貨物量上限の四倍近い荷物が積まれていた。その事を隠すために喫水線を操作し、船底のバラストタ ンクに三分の一程度の水しか入れていなかったことが明らかになっている。そのためセウォル号の船体は重心が上に偏った状態にあり、船体復原力が大きく下 がっていた。清海鎮海運のこのような過積載は常態化しており、仁川港の資料を調査した結果、過去の約六割の運航で過積載が確認された。過積載による清海鎮 海運の不当収益は二十九億六千万ウォン(約二億九千万円)に上ると見られる。

セウォル号に対する無理な改造と、検査体制の不備も問題視されている。セウォル号は一九九四年に日本で造船され、二〇一二年に韓国に輸入された。清海鎮 海運は船体を改造し、総トン数・総定員数を増し、客室を一階分増設した。セウォル号はこの改造で上部が大きくなり、重心も上がったと考えられる。

この改造に対する船舶審査は非営利船舶審査機関の韓国船級が行い、一次審査で復原力に問題があることが指摘しながらも、二次審査では特別な補完をするこ となく通過させた。韓国船級は海洋水産部(海水部)官僚の天下り先となっており、政界とのゆ着、業務不正が数々指摘されている。検察当局は四月二十四日と 五月二日、韓国船級に対し家宅捜索を行い、船の設計会社から金品を受け取り不十分な安全検査しか行わなかった一方、海水部幹部や政治家に金品を提供した疑 いで調べている。さらに家宅捜索の一時間前、海洋警察の警査が韓国船級に捜索をあらかじめ知らせたことが明らかになっており、ゆ着の根深さをうかがわせて いる。

セウォル号の運航審査自体に問題があったことも指摘されている。海洋警察と韓国船級が行った今年二月の安全検査で、防火扉作動不良、火災警報訓練不熟知など五つの不良判定がなされた。しかし「是正した」という清海鎮海運の連絡だけで、再点検はなかった。

当日の出港も問題が多い。出港半月前に操舵装置に故障があることが報告されていながら、清海鎮海運は何ら措置を取っていなかった。積載記録では虚偽の報 告がなされ、搭乗員も実際の乗員より少なく報告されていた。こうした運航が黙認されてきた理由は、清海鎮海運の実質オーナーである兪炳彦氏が経営するセモ グループが、韓国船級、海洋警察、海水部をはじめとする官僚とゆ着していたためだと言われている。

セウォル号の船員たちが、こうした検査の不正を知っていた疑いも強まっている。セウォル号の四十六隻あった救命ボートのカプセルはほとんど機能しなかっ た。船体甲板に上がって救助活動を行った海洋警察は、救命ボートの固定器具がサビついており手で外すことが出来ず、足で蹴落とした二つのうち一つのカプセ ルがかろうじて開いたと証言した。救命ボートは二月の安全検査では「良好」と判定されており、検査機関は運行会社とゆ着し不正を働いたものと考えられる。 乗客が脱出を図ればこうした安全装置の不備が発覚するため、船長たちはあえて待機を命じたのではないかと検察は追及している。

船員の能力や勤務状態にも疑問の声が挙がっている。セウォル号の事故当時、操舵を行っていたのはこの海域を初めて操舵する若い三等航海士であり、セウォ ル号の乗船経験も五カ月に満たなかった。さらには、操舵を指揮すべき船長が、事故当時、操舵室に居なかった疑惑ももたれている。その船長も本来の船長では なく、高齢で一年契約の船長に代行させたことが明らかになっている。船員の安全教育にも疑問があり、清海鎮海運の監査報告書によると、昨年、広告費二億三 千万ウォン(約二千三百万円)、接待費六千六十万ウォン(約六百万円)に比べ、船員への研修費が五十四万ウォン(約五万三千円)しかなく、一部の船員は非 常時訓練を受けたことがないと証言している。

さらに李明博政権期に推し進められた規制緩和が、セウォル号沈没の原因の一つになったと指摘されている。中古船であったセウォル号は韓国輸入時、すでに 船齢が十八年を過ぎていたが、二〇〇九年の法改定で船齢制限が二十年から三十年へと大幅に規制緩和されたことにより、長期間使用できる目算がついた。この 規制緩和がなければ、セウォル号が輸入された可能性は低かったと考えられる。事故当時のセウォル号の船齢は十九年十カ月であり、操舵機やレーダーの故障が 頻発していたことが国会の場で指摘されている。これに対し、李明博政権で総理をつとめた金滉植氏は「規制緩和と安全とは直接的な関係はない」と発言し、論 難が起きている。

政権側の対応

事故の対処にあたり韓国政府は、初動段階で状況を楽観視していた。青瓦台は事故発生当初、多くの乗客がすでに救助されたものと考えていた。午後になってようやく救助船舶とヘリコプターを二倍に増やしたが、すでに船体は水面下に沈んでいた。

姜秉圭安全行政部長官が事故発生の報告を受けたのは午前九時二十五分。九時四十五分には安全行政部の中央災害安全対策本部(中対本)が立ち上げられた。 しかし、安全行政部長官は災難マニュアル通りに動かず、事故現場の責任者を指名しなかったため、コントロールタワーの所在がはっきりしないまま災害対応に 入ることになった。情報も錯綜し、救助人数の集計は午後二時の時点で三百六十八人だったのが、午後四時の時点で百六十四人になるなど、数回訂正された。

事故当日の十六日は、海洋警察庁を管轄する海水部と災害管理を担当する安全行政部の間で、それぞれの任務と役割が整理されず、救助活動で混乱を招いた。 海洋警察は「船内に酸素を注入している」と発表したが、実際はその準備すらできていなかった。海上クレーンの出動も、海洋警察は使用料金を清海鎮海運に押 し付けようとして言い争い、要請が大幅に遅れた。

さらに現場の混乱は続き、中対本は十八日午前に「進入通路を確保した」と発表したが、午後には「失敗した」と言葉を変えた。その過程で海洋警察が「旅客 船に進入したのではなく酸素を注入している」と上級指揮部である中対本の発表を否定する情報の誤認もあった。捜索活動の主体が総合事故対策本部にようやく 一元化されたのは、その日の午後八時になってからだった。

二十三日、国会安全行政委員会は「海水部と海洋警察、消防防災庁がリアルタイムの災難情報共有システムを構築していなかった」と分析した。また専門家か らは硬直的な災難マニュアルの問題も指摘されており、海水部の「海洋事故実務マニュアル」は広報対応策として、衝撃相殺用記事アイテムの開発、事故発生お よび対応に対する非難世論拡散への対応、対外イメージ回復プログラムの準備と実行などが示されたあきれるものだった。

この過程で海洋警察の失態が連発した。十七日に幹部が「何の問題があるのだ。80人も救助できて大したものだ」と発言して更迭された。また民間潜水士の 活動を妨害して確執を招き、当初約二百人以上いた民間潜水士は十八日までに十一人に減った。この背景には海洋警察と関連が深い救難業者ウンディーネに救助 作業を独占させていることがあり、ウンディーネの作業を優先させるため海洋警察は海軍特殊部隊などの作業をしばしば中断させている。二十八日には検察が海 洋警察木浦署を家宅捜索し、海洋警察が事故当日に船内に入って乗客を誘導救助しなかったことについて調査した。事故記録映像では窓の向こうで助けを待つ船 内乗客を見落としてその場から離れる海洋警察の姿が確認され、救助マニュアルを無視した救助活動がいくつも指摘されている。また、出動要請を受けた海洋警 察木浦署に現場まで行ける高速艇がなく潜水士の到着が大幅に遅れたことなど、救助システムの不備による救助活動の遅れが批判されている。

官僚や政治家、メディアの意識の低さが大きく現れ、世間から大きな批判を浴びた。事故発生以後、与野党の政治家や報道関係者が多く現場に詰めかけ、被害 者家族から「写真を撮りに来たのか」と抗議された。十六日には徐南洙教育部長官が行方不明者家族が集まる体育館を訪れ、医療用品を押しのけて儀式用の椅子 に座り、家族に背を向けながらカップラーメンを食べたことで顰蹙(ひんしゅく)を買った。二十日、珍島を訪れた安全行政部の宋英鉄局長は死亡者の名前が書 かれた状況ボードの前で記念写真を撮ろうとし、行方不明者家族の激憤を買い、その日の内に職位剥奪された。五月九日、「セウォル号の死者数は、交通事故で 死ぬ人の数を考えれば多くない」と発言したとして、犠牲者遺族から抗議を受けたKBSの金時坤報道局長が辞任した。

また、セウォル号沈没事故をきっかけに起こった政府批判に対して、保守陣営は失言を連発した。セヌリ党の最高委員である韓起鎬議員は四月二十日、「今後 は北朝鮮の指令に操られる左派団体と左派サイバーテロリストが政府転覆作戦を展開するだろう」とフェイスブックに投稿し批判が巻き起こった。セヌリ党の権 恩嬉議員も同日、自身のフェイスブックに「密陽送電塔デモに参加した専門の扇動屋が、セウォル号行方不明者家族のふりをして扇動をしている」という文を書 き、事実誤認が明らかになって謝罪に追い込まれた。鄭夢準ソウル市長予備候補も二十一日、息子がフェイスブックで、セウォル号沈没事故の遺族・行方不明者 家族が朴大統領を罵倒したことを遠回しに 「国民が集まって国家になるが、国民が未開だから国家も未開なのではないか」と皮肉ったことで批判が集中し、謝罪会見を開かざるをえなかった。

初動対応の遅れは、大きな政府批判を招いた。鄭?原国務総理は二十七日、セウォル号沈没事故の対応に対して責任をとり、辞意を表明した。これに対し野党は、捜索活動が続く中での辞任は無責任だと批判した。

政府の稚拙な対応は、政権支持率にも影響した。世論調査機関リアルメーターの定期調査(四月二十八日~五月二日)では、政権支持率五二・八%、不支持三 九・七%の結果が出た。二週前に比べ、一一・八%急落したことになる。さらに、五月上旬の『ハンギョレ』調査では、朴大統領の国政遂行への支持が四六・ 四%、不支持が五三・四%、セウォル号事故への対応に不満と答えたのは六二・五%に上った。

世論の逆風に直面した朴槿恵大統領は四月二十九日になって謝罪を行った。しかし、国務会議の場で数名の国務委員を前に行った非公開謝罪であったため、か えって大きな批判を浴びる結果となった。また、遺族たちがこの「着席謝罪」を批判したことに対し、青瓦台の閔報道官が「遺族の反応は遺憾で残念だ」と発言 したことも、火に油を注いだ。世論をなだめるためには積極的に謝罪をするしかないと判断した朴大統領は五月四日に改めて事故現場を訪ねて「無限の責任を感 じる」と謝罪し、釈迦生誕日の六日もソウル曹渓寺の法要の席で「安全な国を作ることに総力を挙げる」と謝罪した。

一方、北朝鮮の朝鮮赤十字会中央委員会は四月二十三日、セウォル号沈没事故について韓国の赤十字社に慰問電を送り、高校生をはじめとした乗客が死亡、行方不明になったことに対し、深い慰めの意を表明した。

犠牲者家族と市民の動き

事故発生以後、被害者の家族たちは苛立ちと焦り、悲しみの中にあった。四月二十日、被害者の家族たちが朴槿恵大統領に直接談判に向かおうとバスをチャー ターしてソウルに行こうとして止められ、さらに徒歩行進した家族たちも四百五十人の警察隊によって阻止された。二十九日、安山市の焼香所に現れた朴槿恵大 統領に対して被害者家族たちは詰め寄った。しかし、朴大統領は「お言葉はよく分かりました」と繰り返し、謝罪の言葉はなかった。その後、家族の抗議によっ て大統領の弔花は会場の外に片付けられた。

五月八日夜、KBS局長の妄言に抗議してKBS本社を訪問した遺族たちは門前払いにあい、青瓦台に向かって行進を始めた。夜が明けた翌九日、青瓦台へ向 かう道路で警察と対峙しながら路上に座り込み、謝罪を要求した。結局、朴大統領は姿を見せず、疲れ果てた遺族たちは、午後になってようやく現れたKBS社 長の訪問をもって帰った。

犠牲者追慕の動きが全国に広がっている。安山市の合同焼香所に訪れた弔問客は五十万人以上、全国の焼香所には百七十五万人を越えた。ソウル進歩連帯、全 国女性連帯などで構成されるセウォル号キャンドル市民円卓会議は清渓広場で追慕祭を執り行っている。キャンドル集会の動きは全国に拡散し約百六十の地域で 追慕キャンドルが灯され、帰還を願う黄色いリボンが一面に結び付けられている。

また、民主労総と韓国労総は五月一日、朝鮮職業総同盟など北の労働団体とともにメーデー百二十四周年南北労働者共同決議文を発表し、セウォル号沈没事故による犠牲者の家族に深い慰めの意を表明した。

五月の連休以後も、犠牲者を追慕するキャンドル集会が相次いだ。三日にはセウォル号惨事キャンドル市民円卓会議と国情院時局会議が主催し、清渓広場で四 千五百人がキャンドルを掲げた。六日には珍島のボランティアがソウルで沈黙デモを行い、八日は光州で開かれた「セウォル号惨事朴槿恵政権退陣、無能野党糾 弾、光州市民決起大会」に二千人以上が集った。九日は安山市文化広場に高校生二千人が集い「犠牲者を忘れないでください」と叫んだ。

こうした中、八日に光化門広場の世宗大王像で大学生たち八人が「セウォル号特検実施」「朴槿恵政権退陣」を叫んだ。「セウォル号特検実施」の主張はすで に野党陣営に広まっており、新政治連合は六日、記者会見で特検実施と聴聞会を含む真相究明を要求した。統合進歩党も二日の記者会見で、内閣総辞職と国会の 国政調査権発動を要求している。

十日には「セウォル号沈没事故問題解決のための安山市民社会連帯」の主催で、「セウォル号犠牲者追慕と真実を明らかにする国民キャンドル行動」が安山市 文化広場で開かれ、全国から二万人の参加者が集った。安山市民社会連帯は共同行動宣言を発表し、▼行方不明者に対する迅速な救助と捜索作業に最後まで最善 を尽くすことを強く要求する▼汎国民対策委員会と国民真相調査委員会構成を提案する▼被害者家族と生存者を持続的、体系的に支援できる法案制定を要求する ▼徹底した真相究明と責任者処罰、そして安全な大韓民国のためにキャンドルを掲げてほしいと訴えた。

十一日には米ニューヨークタイムズに在米韓国人による全面広告が掲載され、セウォル号沈没事故の真相究明、朴政権の責任を追及した。在米韓国人が多く利 用するインターネットサイト「Missy USA」の会員たちの募金で掲載されたこの広告は「救助のための対策を講じるのに失敗し、関係機関との意思疎通も十分に行われなかった」と、政府の対応を 厳しく批判し、「朴槿恵大統領の行動は韓国を権威主義の時代に逆行させている。韓国人たちは民主主義を後退させていることに怒っている」とした。

問題の本質

セウォル号大惨事は徹頭徹尾、人災である。もしも積載量など船舶運行に関する規則が適切で、なおかつそれが厳重に守られていたら、おそらく事故は起らな かったであろう。万が一、事故が発生したとしても担当機関が適確かつ迅速な救命活動を行っていたのなら、ほとんどすべての命を救えたであろう。そうである のになぜ大惨事を招いたのか、徹底的に真相が究明されなければならない。

経済の内実が問われている。米国流の競争社会をモデルにしてきた韓国経済原理は、とくに今世紀にはいって弱肉強食の競争原理を極限化する新自由主義を全 的に受け入れたことで更に非人間的なものへと転落している。この原理の恐ろしいところは人間の幸福や生命よりも、企業の利益を最優先することにある。長い 歴史のなかで、わが民族が培ってきた共助の美風が急速に失われ、韓国社会は極端なカネ、カネの社会に転落している。

さらに保守政権の体質が事態をいっそう悪化させた。民衆から遊離した保守政権は必ず腐敗する。李承晩独裁政権以来、保守勢力は米国の後押しのもと国家機 関を総動員した不正選挙で政権を奪取するとともに、経済界とのゆ着はじめ不正腐敗を体質化してきた。そのような体質がそのまま朴槿恵政権にも受け継がれて いる。腐敗した権力者のもとでは、官僚たちも清廉潔白ではいられないし、公務員たちも不正腐敗体質に染まっているといって過言ではない。公務員と企業との 贈収賄の横行、利益追求のための各種規制緩和、過積載容認、積載量の虚偽申告黙認、船員に対する安全教育の不在、海洋警察と民間救助団体とのゆ着などの基 底には保守政権の宿病のような不正腐敗体質が存在する。

南北対立を扇動する、冷戦思考の保守政権のもとでは国民の幸福と安全を増進する余力は生まれない。朴槿恵大統領は福祉を充実させるとの公約を財源がない という理由で全面的に破棄する一方で、在韓米軍の駐留費用の分担金増額、最新鋭戦闘機など米国製武器購入を決定した。また、あいかわらず北を仮想敵国とし た大規模な韓米合同軍事演習の実施に余念がない。一言で朴政権は国民の血と汗で獲得した貴重な財貨を国民にはほとんど還元せずに、せっせと米国の軍需産業 に貢いでいるといえる。

朴政権は南北関係を改善するどころか、六・一五共同宣言と一〇・四宣言には背を向け「信頼プロセス」、「統一テバク」という実際には吸収統一をねらう政 策を打ち出すことで南北関係を極度に悪化させている。「北の崩壊」は幻想に過ぎない。保守政権の幻想追求に国力がムダに消耗されているのだ。

今回の惨事が起る前から国民の多くは朴槿恵大統領に根深い不信を抱いていた。二年前の大統領選挙は国情院など国家機関が介入した不正選挙であったと判明 している。不正選挙の真相究明を拒否する朴大統領は強引に大統領職に居座っているのであって、正統な大統領ではない。このような大統領には献身的で有能な 人材が集まるはずもない。実際、朴大統領は富裕層のなかから、保守的で自分に忠実であれば無能な人材でも政権中枢部に登用している。このような政権が国民 のためにすすんで仕事をすることはありえないし、またそうした能力もない。

保守マスコミなどに、国民の体質や性格を事故の原因とする論調がある。また日本のマスコミなどには「李朝以来のワイロ体質」が事故の根底にあると語る評 論家もいる。これらは事故の原因を国民の体質や民族性に転嫁しようとするものである。問題は国民の総ざんげで解決できるものではない。わが民族は他の民族 と比べてけっして劣らない能力をもっている。惨事の原因が国民の性格や民族性にあるのではなく、あくまでも政権の正統性の無さと無能力にあることをけっし て見落としてはならない。

われわれは次の『愛国論』の言葉を想起しよう。「国家主権が重要なのは、いくら彊土があっても、それを開発し管理する政治権力がなければ、またいくら英 知ある民族でも、その力を組織し伸張させ、その自由と独立を守る政治権力がなければ、それらの本来の機能と潜在的な力量を実現させることはできない」。

われわれの課題

当面して惨事の全面的な真相究明と朴政権の責任が明らかにされなければならない。そのために野党の新政治民主連合は特別検事制度の導入と公聴会の開催を 要求する一方、市民社会団体で組織する各界円卓会議では汎国民的な対策委員会や真相究明委員会の構成を提唱している。米国など海外でも惨事の真相を究明 し、朴政権の責任を問う活動が活発に展開されている。われわれも正しい観点をもって早急に世論を喚起していかねばならない。

光州民衆抗争はじめ長い厳しい闘争によって、韓国は政権担当者を国民の選挙で選出するなど一定の民主化を実現した。しかし、二年前の大統領選挙で明らか になったように選挙が民主的かつ公正に行われていない。未だに米国に従属し、南北対立を煽る保守政権が民主化の成果を蚕食している。

三十四年前の春、米国に従属し、冷戦思考に凝り固まった軍事独裁の残虐な暴圧によって、二百人以上の光州市民が虐殺された。国民は立ち上がり軍事独裁者 を打倒したが、光州民衆抗争がめざしたものは未だに実現していない。今年の春、自主性を喪失した無能力で無責任な保守政権によってセウォル号惨事が引き起 こされ、多くの尊い命が奪われたのである。

国民の幸福と安全を増進するために、一日でも早く自主的で民主的な統一をめざす政権の樹立を実現しなければならない。


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